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【セミナー誌上企画】第6回<6.自社のCSRをSDGsに紐づけよう(整理表)>

【セミナー誌上企画】第6回<6.自社のCSRをSDGsに紐づけよう(整理表)>
・近年では、中小企業もさまざまなCSRに意識的に取り組んでいる。貴社もそうである場合、取り組むべきSDGsを一から模索する前に、まず、自社がすでに取り組んでいるCSRがSDGsにつながるものであるかを確認する作業をするとよい。今回は、そのためのツールをご紹介しよう。
・ツールと言っても、エクセルで作った簡単な表であり、私は「整理表」と呼んでいる。私が担当する授業では、学生が企業のCSR報告書を作る実習を行っている。その際、学生に課している課題が、統合報告の要素を入れることとSDGsへの対応を表記することである。そのために学生に使わせている表であり、学生が記入したものを企業に渡し、参考にしてもらっている。営業担当がしっかり理解していれば、顧客企業に取り組みをアピールしやすい。
・整理表は、SDGsの策定を受けてすぐに作ったのであるが、授業の中だけで使っていた。しかし、私が会長をしている横浜グリーン購入ネットワークと私のゼミとの共催でSDGsのセミナーを開催した際にゲストで招聘した石川県のコマニー(株)が独自に同様の表を開発して運用しているのを知って、企業にとっても役に立つ可能性があると判断し、公開することにしたのである。以下に張り付けたのは、表の項目である。
[左]CSRの取組み / 17のゴールのうちどれに関わるか(ロゴマークで表示)? / 169のターゲットのうちどれに貢献しているか? / そのターゲットにどのように貢献しているか(なるべく数値で説明)? / [右]取り組みとターゲットの関係・ターゲット間の連携パターン

・一番左の項目には、自社のCSRを列記する。それぞれのCSRの右に、関わりそうなゴールを記入し、さらに、そのゴールのうち貢献できるターゲットがあればターゲットの番号と文言、どのように貢献できるのかを記載する。貢献内容を記載する際、各ターゲットにぶら下がっている指標を参考にするとよい。目標が達成できたかどうかを確認するための指標が232(複数のターゲットにまたがる指標を別々にカウントすると244)用意されている。それと呼応する表記をするとよい。なお、対応するターゲットがなくとも、多少調整すればターゲットに結びつく場合、調整を検討すればよい。
・一番右は、ターゲット間の連関を記載する。あるCSRの取り組みは複数のターゲットにつながり、ターゲット間に因果関係や相互媒介関係があることも少なくない。連関構造は図にするとわかりやすいが、何がどうなって成果が生むかが理解でき、効果的な取り組みにもつながりやすい。
・なお、経営的な意味を記す欄がないのは、CSRであるという段階で経営的意味があるので、改めて書く必要がないからであるが、確認の意味で記入するのもよい。(第6回/10回連載)

永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学教授   影山摩子弥

Information
  • 開催日2019年11月10日
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