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【セミナー誌上企画】第7回<7.取り組むべきSDGsを見つける方法(事業創造表)>

【セミナー誌上企画】第7回<7.取り組むべきSDGsを見つける方法(事業創造表)>
・前回は、すでに取り組んでいるCSRがSDGsにつながっているかを確認する、私が整理表と呼んでいるツールを紹介した。今回は、SDGsにつながるCSRに取り組んでいないとか、新たに取り組めるSDGsを考えたい、といった場合に使用するツールを紹介しておこう。社会課題にビジネスの観点でアプローチするソーシャル・ビジネス(SB)の事業案を考える際に使う事業創造表がそのまま流用できる。事業創造表もそのSDGsへの流用版も、私が授業やゼミで使っているものであり、SDGsとは何かが分かっていれば容易に思いつくものである。
・ちなみに、整理表だけでなく、この表に近いものを石川県のコマニー(株)では独自に開発し、運用していた。コマニーは、SDGsの取り組み水準が非常に高い。ただ、このような表を運用しているからというより、そもそもこのような表を自分たちで考え出せるほどの、SDGsに対する理解度や積極姿勢があるからではないかと思う。
・さて、事業創造表であるが、表の一番上に記した項目を取り出したのが添付の図である。
・左の列に17のゴールを記載する。その上で、ターゲットの一覧表とにらめっこしながら、自社の資源や強みなどを生かしてターゲットに貢献できそうな事業を考え、ゴールの右に記入する。作業にとりかかる前にSWOTなどをやっておくと整理しやすいであろう。
・ちなみに、SBを考える際には、ゴールとターゲットを書く欄を分けずに、社会課題ないし地域課題を記入することになる。
・事業のイメージができたら、貴社がその事業を行うストーリーを考える。「儲かるから」は基本的にNGである。利害関係者が耳にしたときに、共感できるような理由(物語)を考える。
・次に、事業がターゲットにどのように貢献するか、どのような経営的意味があるかをなるべく数値を用いて記入する。この手の表でストーリーと経営的意味の項目がない表があるが、そんな表は使ってはいけない。経営的意味も必然性もない取り組みを継続することは難しいからである。
・事業を実現するには課題もあるはずである。課題を書きさらに解決法も書く。最後に、ここには記載してないが、事業コストと自社が享受するメリットも考慮に入れ、事業の実施如何を考えればよい。ただ、これは簡易法である。本来は取組むべきCSRを析出した上で、紐づけを考えるべきである。次回は本来の方法を紹介しよう。(第7回/10回連載)

                 永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学教授   影山摩子弥

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  • 開催日2019年11月25日
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