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[コラム:企業永続の法則Q&A]第11回『K課長のパワハラ?』

[コラム:企業永続の法則Q&A]第11回『K課長のパワハラ?』

・今や忘れられない思い出、私が工業課勤務の時の上司K課長との出会い。K課長はいわゆる「お役人」という人物。これまで市役所のなかで人権(特に同和行政)関係や管理畑を経験し、役所内部の事務を大過なく過ごした役所エリート的な方だった。事業や企業、外部との関係は殆ど経験がなかった。
・工業課長就任早々、「この課の職員は、ほとんど席にいない。仕事は机に向かってするものだ。書類が重要だ」。また、「企業と接触するな。企業はサンズイのもとだ」とも言っていた。
・しかし、さすがに経済局の業務の本質からほど遠い思考と言わざるを得なかった。その企業悪的な発想には、私をはじめ同僚も皆驚いていた。
・経済行政の本質から離れたK課長のスタンスは、お役人がよくやる「出る杭は何が何でも打つ」という目線、責任回避型の行政であると言えた。
・それでも私は現場主義を貫き、現場の中小企業の課題や問題をK課長に報告するように努めた。また、課題解決のために為すべきことなどについて提案も行った。
・しかし、K課長は私からの報告・提案を認めず、私が提出した報告・提案書は結局K課長の机の引き出しに収まったままだった。
・しかし、私は、懲りずにK課長に何度も何度も提案した。それでもK課長は余計なことを言うな、するな。とすべて却下・否定された。
・それでもなお、私はしつこく何度も提案したのだった。
・そして、ある日、K課長は私にこう言った。「君の提案はよくわかった。やりたい気持ちもよくわかっている」。ようやく「わかってくれたのか!」と思った次の瞬間、K課長は、「吉田君。頼むから、私が工業課長でいる間、提案はもうやらないでくれ、私が異動したら、好きなようにやればいい」という衝撃発言をした。
・このときばかりは、K課長にもうこれ以上何を言っても無駄だと思った。この課長は、企業支援、工業振興より、まず失敗を恐れる、否定から入る人なのだ。大過なくの人生か。私はある種悟った。仕方ない、あと何年辛抱しないといけないのだろうか。
・イヤハヤ、役所とは中小企業のことや経済振興のことを真剣に考えても、良いと思ったことでも、簡単には物事が進まない大変な組織なのだ。横浜市職員になって、数年にして身に染みた出来事であった。

『企業永続の法則―地域と結びついた企業は潰れない!』80頁参照

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