【セミナー:特別企画】第45回<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㊺> 聞き手日野原重明『100歳が聞く100歳の話』実業之日本社2015年
【セミナー:特別企画】第45回<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㊺>
聞き手日野原重明『100歳が聞く100歳の話』実業之日本社2015年
・日野原重明 1911年山口県生まれ。37年京都帝国大学医学部卒業。41年聖路加国際病院内科医となる。51年米国エモリー大学に留学。73年ライフ・プランニング・センター設立、予防医学や全人医療を研究。92年聖路加国際病院院長に就任、全病室を個室にした病院を新築。現在は学校法人聖路加国際大学名誉理事長、聖路加国際病院名誉院長、一般財団法人聖路加財団名誉理事長、財団法人聖ライフ・プランニング・センター理事長。98年東京都名誉都民、99年文化功労者、2005年文化勲章を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
内容紹介
90歳、さらには100歳を超えて現役で活躍する美術家たちが、人生哲学から健康法まで、今だからわかる人生の真実を語る。
聞き手は2015年に104歳を迎えた日野原重明。ベストセラー『一〇三歳になってわかったこと』の著者・篠田桃紅氏のアトリエを日野原氏が訪問するなど、バラエティに富んだ充実の一冊。内容(「BOOK」データベースより)
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「美術家には、長寿で活躍しておられる方がとても多い――医師としてたくさんの出会いを重ねていくなかで、いつからかこう実感するようになりました。ただ長寿というだけではありません。年を経るごとに、クリエイティビティ豊かに花開いていく。病を糧にして新たな境地に達する――そんな姿に間近で接してきました。
・この本に登場する先生方は、日本を代表する美術家であり、九〇歳、一〇〇歳前後でも第一線で活躍を続けてきた方ばかりです。生まれは明治末から昭和初期。関東大震災、太平洋戦争、戦後の復興、そして現在と、激動の時代を生きてこられました。私にとっては、職業は違えど同じ時代を駆け抜けてきた友だち、いや、同志のような存在だと思われます。
・私は聖路加国際病院に内科医として赴任した一九四一年から現在まで、どうしたら病んだ人の心と体、そして魂をもケアをすることができるか、という課題に取り組んできました。その過程で確信したのは「人間を癒(いや)すのは、芸術である」ということです。人は苦しみのなかにあるときにこそ、自分のことを省み、他人の苦しみにも共感できるようになります。それは、感受性が高まっていることの証です。そんなときに、そばに芸術、すなわち美術や音楽があれば、どれほど心癒されることでしょう。医療と芸術は、人生を豊かにするという点において、共通点が非常に多いのは真実だと思います。
・美術家の方々との対話を通して、私はその思いをさらに深めるようになりました。生涯現役で、アートを生み出してきた方の言葉が、読者の皆さまの心を少しでも輝かせることができれば、これ以上嬉しいことはありません」
――日野原重明(「はじめに」より一部抜粋)
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【目次】
■はじめに 日野原重明
■篠田桃紅 出会いがもたらす可能性は無限大
■堀 文子 宇宙のなかに浮遊する砂一粒のように
■入江一子 年を重ねるほど大胆に
■後藤純男 病を得て自覚した「命」
■高山辰雄 「未完成」も人として正しい在り方
主な言葉
・「出会いがもたらす可能性は無限大」「人生とは、出会いの結晶」「常に水をたたえなければならない、硯という道具が、私を怠けさせない」「人間の存在そのものが、光」(篠田桃紅<102歳>)
・「私も、宇宙のなかの砂の一粒として浮遊している感じで生きております」「ただ過ぎたことを忘れ、今の自分の感動を描きとめたいだけなんです」(堀文子<97歳>)
・「昔より今のほうが絵が良く見えるようになった。だから今、絶対死にたくない」「今だから描ける大胆な色彩」「つまり大胆になるってことですよ。それは人の意見を気にすることがなくなって、人がどう言おうと自分の描きたいように描いている証拠。若いときよりも勇気が湧いてきている証拠」(入江一子<99歳>)
・「多くの出会いが今を作る」「意欲のあるときに、意欲っていうのは、待っていればまた湧いてくるというものでもないんですね。それに、もしかしたら消滅してしまうかもしれない。だから意欲を失わないように心がけています」(後藤純男<85歳>)。
・「身体は鍛えるよりも、こまめに用事で動くのが一番」「音楽って直に血液に入ってきますでしょう。それで、心に響く。だから、いろいろな感動を強く受けることが多いんです」「ベートーベンは特にいいなぁ。ただ美しいんじゃない。悩みがある。苦しみがある。絶望がある。もちろん明るい希望もある。そして非常に情熱的な、命の輝きがある。全てがある」「横山大観の作品のなかには、深い絶望感に満ちたものがありますね。絶望感があるということは、その先にある大きな、いろいろのものを超越した何かを求めていることの表れだと考えているんですよ」「何をするのでも100年や200年じゃ達成できない。未完成というのも正しい在り方」(高山辰雄<103歳>)
Information
- 開催日2023年3月25日
- 場所
- 時間
- 費用