セミナー情報詳細


【セミナー:特別企画】第43回 <人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㊸>
【セミナー:特別企画】第43回
<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㊸>
中村恒子/聞き書き奥田弘美『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』すばる舎2018年
・中村 恒子(なかむら・つねこ) 1929年生まれ。精神科医。
1945年6月、終戦の2か月前に医師になるために広島県尾道市から一人で大阪へ、混乱の時代に精神科医となる。二人の子どもの子育てを並行しながら勤務医として働き、2017年7月(88歳)まで週6日フルタイムで外来・病棟診療を続けている(8月から週4日のフルタイム勤務となる)。「いつお迎えが来ても悔いなし」の心境にて生涯現役医師を続けている。
・奥田 弘美(おくだ・ひろみ) 1967年生まれ。精神科医・産業医(労働衛生コンサルタント)。日本マインドフルネス普及協会代表理事。
内科医を経て、2000年に中村恒子先生と出会ったことをきっかけに精神科医に転科。現在は精神科診療のほか都内20か所の企業の産業医としてビジネスパーソンの心身のケアに従事。著書に『何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから』(扶桑社)、『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター)、『心の毒がスーッと消える本』(講談社)など多数。 [出版プロフィールより](出版時)
内容紹介
中村恒子先生は、1945(昭和20)年・終戦迫る6月に医者になるため16歳でたった一人、広島の尾道から大阪へ出てきました。その後、89歳の現在までずっと精神科医として働いてこられました。つい最近まで週6日フルタイム勤務を続け、2017年の8月からようやく週4日勤務に減らされたばかり。身長148センチ、体重40キロ足らずの小さな体からは、温かく深い慈愛のこもった言葉が発せられます。
 その言葉で、患者さんたちは再び生きる勇気を復活させるのです。それは、弱々しく細ったろうそくの光がゆるゆると輝き、力強い炎を取り戻していくかのようです。
もちろん、患者さんだけではありません。恒子先生にかかわる人の多くが、そのたんたんと働く姿、その人柄にふれることで、力をもらって元気になっていくのです。
 今回、聞き書きをさせていただいた私自身もその一人です。
先生の生き方は、一言でいうと「日々たんたん」。決してスマートではなく、効率的でもないのですが、いつでも目の前のことに徹して生きています。そして、そこにまったく無理がないように見えるのです。
どこまでも自然な姿に、「ああ、こんなふうに生きてもいいのか」「こんなふうに生きればいいのか」そんな気づきを与えてくれます。
どうしたら、恒子先生のように日々たんたんと生きていくことができるのか? 結果としてそれが「うまいことやる」ことになるのか? その波乱万丈な半生を含め、ぜひ最後までお楽しみください。(聞き書き・奥田弘美より) [出版社商品説明より]
目次
第1章 なんのために働きますか?
第2章 期待しないほうがうまいことやれる
第3章 人間関係には、妙がある
第4章 心を平静に戻す
第5章 あれやこれやを、両立していくには
第6章 「日々たんたん」な生き方
・本書は、キャリア70年、89歳の現在までフルタイム勤務を続ける精神科医が教えてくれた日々淡々な生き方。
・生涯現役の姿のみならず、専門の精神科医としての生き方のヒントが詰まった一冊。
中村恒子先生の言葉から
・先行きが不安、どうなるのかわからないのは、いつの時代も一緒なんですわ。
・「生きがい」とか「己の成長」なんていうのは、自分をちゃんと食べさせられるようになったあとに、余裕があったらボチボチゆっくり考えていけばええと思います。人生は長いんです。
・あんまり大きな期待や思い入れを持ちすぎていると、失望したりイラつく原因になります。与えられることに対して、構えることなくまずは受け入れること。
・「自分はこんな仕事をすべき人間ではない」なんて、たいそうに考えるからおかしなことになってしまうんです。
・そもそもね、人間なんて70歳80歳にもなったら「勝ち」も「負け」もあったもんじゃありません。
・必要以上に気を張らないで、「ちょっと目の前の人のお役に立てればいいかな」ぐらいの気持ちで仕事をしてみるのはどうでしょう。
・ご飯が食べられて、そこそこの生活さえできたら上出来。さらに、自分の仕事で目の前の人が喜んでくれたらもうけもんです。
・歳をとってきたときには、食事や掃除のように、仕事が自然で穏やかな習慣になっていたら言うことなし屋と思います。
・「こうあるべき」と強く思ってがんばりすぎているときは、「欲求不満」なことが多いんです。
・だんだん歳をとってきたら、ちゃんと己を知って、「もっともっと」を一つずつ捨てていったほうがラクやと思います。
・何かをしてくれることはあたりまえでないと考えて生活できると、ちょっとしたことにも感謝できるようになりますわ。
・中村先生の恩師(金子仁郎奈良県立医大教授)の言葉「自らが存在しているだけで他の人をなごませる包容力のある人間になれ。自然に心を開き、悩みを話したくなるような精神科医になれ」
・食べて、寝て、命をきちんとつないでいけば、たいていの物事はなんとかなっていきます。不思議なもんで、今目の前のことをかたづけようとあれこれ動いていると、ちょっとした心配事はスーッと消えていくもんです。
・もしも、今後しんどいことを経験することがくれば、それは「新しいものの見方」を学ぶ時期でもあるということです。
・「ちょっと無理かな、どうしようかなあ?」と思うとき、判断する大事なポイントは自分が健康で元気でいるかでしょう。しっかり寝て、食べて、人間関係もそこそこ落ち着いていて、己が精神的にも身体的にもできるだけ安定していることが大事です。
・人間というのは、「人を育てる」ことで、自分自身を育てていくんやと思います。
・己の人生、己に責任を持つということが、自分らしく生きるかどうかということに、最終的に必要になってくるんやろうと思います。
・孤独死、大いに結構。なぜかというと、孤独死するってことは、誰にも迷惑かけずに死んだってこと、家族に介護の苦労もかけず、病院で医療費も使わず、一人でさっさと死んでいく。こんな立派で、スッキリした死に方は他にないのと違うやろか。
・人間、生まれてくるのも一人なら、死ぬときも一人。死んだらそれで終わりなんやから、死んでからの評判や見栄や格好を気にしても仕方ないと思います。
・一人で死のうが、病院で死のうが、人間らしく穏やかに死ねたらそれで十分やと思います。
・難問にぶつかったときも、「大丈夫、きっとなんとかなる」。「ほとんどの問題は『きっと、なんとかなる!』」
・いいところだけを見て付き合えば、自分も他人も楽しく嬉しい。
・孤独であることは。寂しいことではない。「孤独はよきもの」と受け入れると、ラクになることがいくつもある。
・そんなにすぐに、結果は出ない。焦るときほど、上や下、過去や未来ではなく、「今この瞬間」を大切にする。
・長いこと精神科医をしてきて思うことは、「人は悲しみや苦しみを分かち合う人をいつも探している」ということです。
・座右の銘の一つは、「一隅を照らす存在になれればよし」というもの。成功や活躍をせずとも、自分のお置かれた環境で一隅を照らしていけばええ。そんな考え方です。
・大事なのは、「自分は何ものなんや」と、きちっと向きあってみるということ。
・それぞれ人生には特徴があって、それは誰かと比べたところでどうしようもないんです。
・「これが自分の人生や」と、一つ覚悟を決めてください。
・結局人は、「自分らしく」しか生きられないんですわ。人に振り回されっぱなしの人生に疲れたときは、そんなことをぜひ思い出してみてください。
本書は、長寿(89歳)現役精神科医の生き方であり、言葉である。人生100年時代の気づきを与えてくれる。
永続的成長企業ネットワーク
代表理事     吉田正博
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Information
  • 開催日2023年1月25日
  • 場所
  • 時間
  • 費用