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【企業永続へ:経営者に贈る言葉⑱】 ~正垣泰彦 サイゼリア創業者の言葉~
【企業永続へ:経営者に贈る言葉⑱】
~正垣泰彦 サイゼリア創業者の言葉~
<正垣泰彦氏の言葉>
・「自分の店の料理はうまい」思ってはいけない。それこそが悲劇の始まりだ。なぜなら、「自分の店の料理をうまい」と思っていたら、「売れないのはお客が悪い、景気が悪い」と考えるしかなくなってしまうからだ。
・よく成功体験から学ぼうとする人がいるが、成功とはほとんどの場合”まぐれ”みたいなもので、そこから何かを学ぶのは不可能に近い。失敗を繰り返し、その経験から学んでこそ、成功に近づける。
・人は「自分が絶対に正しい」と言い切れるほど、たいした存在ではない。どうすればお客様にもっと喜ばれるのか、と試行錯誤を繰り返すことでしか、「自分本位」から「お客様本位」に考え方を変えることはできない。
・異常事態のときは、日頃やっている、いろいろなことをやめざるを得ない。これは前向きに捉えると、日頃やっていることを「やめられる」し、「絞り込むことができる」ということだ。
・魅力的な立地というのは、時代とともに変わっていく。
・商売とは、誰かの役に立つということだ。日本が大変な状態だというなら、それだけ困っている人がたくさんいるわけで、誰かの役に立つ=商売のチャンスがいくらでもあるという図式が成り立つ。
・繁盛店を作るうえで、・・・大切なことは・・・それは、「儲ける」のではなく「儲かる」ようにすること。
・「儲ける」とは、自分が利益を得ることを第一に考えて行動することだ。これは必ずどこかで立ち行かなくなる。一方の「儲かる」とは、お客様に喜ばれることを最優先に考えて行動するということ。お客様に喜ばれているのだから、利益は自然に付いてくる。結果として儲かるのだ。(商売はお客様に喜ばれるという形での社会貢献でなければ続かない)。
・日々の「改善」も大切だが、それだけではいつかダメになる。・・・時代の変化によって根本的な改革が必要になる時がやって来る。
・何かに取り組み、どうしても上手くいかないときに、自分が悪かったと考えるのは、最も建設的な考え方だ。・・・失敗の理由を他人に押し付けていては、一歩も前に進めない。世の中のすべての結果には、当然ながら原因がある。原因は自分の中にあるという前提で実験を行う方が、成功する可能性は高くなるはずだ。
・時代が変われば、社会への貢献方法も変えていかなければならない。
・この世界は常により良い方向へ、より高度な調和へと変化をし続けている。
・これで良いと満足してしまったら、必ず自分を追い越すものが現れる。満足した瞬間から、衰退がはじまるのだ。
・良い方向に変化するには、すべてが良くなるように行動しなければならない。経営で言えば、「お客様」「従業員」「会社」のすべてにとって良くなることを考えることが大切だ。
・量子力学によれば、すべての物質は「調和」した状態にあるが、同時に新たな「調和」に向かって変化している。つまり、万物はよりよい状態に向かって、永遠に変化し続けているのだ。だから、我々もより良い状態を目指し続けなければならない。
・私はいわゆる「失敗」というものは、ビジネスに存在しないと思っている。
・お客様が減ること(客数減)さえ、より良く変化するためにおきることで、何も悪いことではないと気付く。お客が減らなければ、今までのやり方を変えようとは、誰も思わない。しかし、変わらなければ、より良くなることは永遠にできない。
・いわゆる「失敗」と「成功」は、みんなを幸せにしよう、と頑張っているという意味では同じことだ。
・商売はやっている本人が楽しくなければならない。そうでなければ、続かないからだ。
・正しい考え方に基づく限り、何かに挑戦し、それが期待通りの結果に今の時点でならなかったとしても、それはいわゆる「失敗」ではない。うまくいかなかったら、その方法を次は避ければよいだけで、「成功」に近づいていると考えるべきだ。
・当社の中で「変わらないこと」は、経営の目的の「お客様に喜んでもらうこと」と「社員に喜んでもらうこと」という2つの考え方だけで、後はすべて変えてきているということだ。
・どこかの段階で満足し、変えることを止めてしまっていたら、店はダメになっていく。
・せっかくうまくいっているのに何かを変えるのは、もったいないと考えてしまうことは多い。しかし、社会は変化し続けている。
・時代の変化に合わせて変え続けるためには、「大きな目標」を持つことが効果的だ。
・生産性を現在の1.1~1.2倍にしたいとか、2~3倍に増やしたいというのは、個人の努力で何とかなるかもしれないレベルだ。
・しかし、生産性を10倍とか100倍に引き上げることを目ざした瞬間に、仕事の仕組みから根本的に見直さなければならなくなる。・・・20年で200倍を目指すとなると、何もかも変え続けざるを得ないわけだ。
・(飲食店が)10年、20年、あるいは100年と、ずっと繁盛し続けるためには、変わり続けなければならない。そのために必要なのが、「大きな目標」を持つことだ。
・経営理念を基に、他人が聞いたら驚くような大きな目標を立てる。それが「ビジョン」だ。
・ぜひ社会に貢献することを目指す経営理念を掲げ、それをビジョンという形で具体的なイメージにしてほしい。
☞正垣康彦の言葉は、理系経営者ならではのロジカル思考満載で、外食業界関係者のみならず、顧客本位のマネジメントに関心のある経営者に参考になると思う。
➽正垣泰彦氏は、サイゼリヤ創業者。1946年兵庫県生まれ。67年東京理科大学在学中にアルバイト仲間から洋食店を譲り受け、千葉でレストラン「サイゼリヤ」開業。68年の大学卒業後、イタリア料理店として再オープン。その後、低価格メニュー提供で飛躍的に店舗数を拡大。2000年東証一部上場。2009年4月、社長を退任して会長就任。
出所:正垣康彦『サイセリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』日経ビジネス人文庫2016年
(選:吉田正博)
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Information
  • 開催日2023年11月20日
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