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<ニュース>障害者雇用率、関東は埼玉トップ  東京は全国最低、神奈川県も低水準    データで読む地域再生 関東・山梨
<ニュース>障害者雇用率、関東は埼玉トップ
東京は全国最低、神奈川県も低水準
データで読む地域再生 関東・山梨
・埼玉を除く首都圏1都2県の障害者雇用率は低水準だ。
・東京都内の民間企業の障害者雇用率は2.04%、法定雇用率の達成企業の割合は32.5%でともに全国最下位だった。東京労働局によると、都内には従業員300人未満の中小企業が多く、この規模の企業の障害者雇用率の低さが全体を押し下げている。
・3月からは「従業員43.5人以上」に雇用義務の対象企業が広がった。
・新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、厳しい経済環境下で障害者雇用への理解をいかに深めるかが課題になっている。
・・・・・・・・・・・・・(以下、日本経済新聞記事より)・・・・・・・・・・・・・・・
データで読む地域再生   2021年9月11日
・関東と山梨8都県の民間企業の障害者雇用率(2020年6月1日時点)は、2.04~2.30%と全国的に高いと言えない水準だった。最も高かった埼玉県では自治体が雇用先の開拓から定着までを一貫して支援し、企業側は働きやすい環境を整えるなどの活動が実った。全国最下位だった東京都などは、中小企業の理解を深めることが課題となっている。
・埼玉県の障害者雇用率は関東圏で最も高い2.30%だった。11年6月時点の調査で全国最下位の1.51%だったことを受け、県は障害者の就労支援を総合的に担う「障害者雇用総合サポートセンター」を設置した。中小企業を中心に雇用経験がない企業を訪問し、同業他社の雇用方法を紹介しているほか、障害者の業務内容の提案などをしている。先行事例を紹介するセミナーも開催している。
・埼玉県内で障害者を積極的に雇用している企業の一つが、住宅販売のポラスグループ(越谷市)だ。グループ全体で約70人を雇用する。15年設立の特例子会社「ポラスシェアード」(同市)では設計補助や事務代行などを担い、1級建築士の資格を持つ社員らが、専門的な知識が必要な業務も請け負う。同社は現在の障害者雇用率2.5%を5年後に3%程度に高めることを目指している。
・障害者雇用促進法では事業主に一定割合の雇用を義務付けている。20年6月時点の法定雇用率は2.2%で、21年3月に2.3%に引き上げられた。20年の全国平均は2.15%で、関東・山梨では法定雇用率を上回った埼玉県と北関東3県が全国平均を上回った。
・茨城県が地盤でイオン傘下のスーパー、カスミ(つくば市)は、障害者雇用を目的に全額出資子会社「カスミみらい」を設立。カスミみらい野菜センター(土浦市)では、店頭で販売する大根や白菜、キャベツなどの加工・包装・価格シールの貼り付けに従事している。
カスミみらいの社員44人のうち障害者は7割の31人。カスミの7月末時点の障害者雇用率は3.2%だが、カスミみらいを加えると3.7%になる。今後も「支援ではなく自立」をモットーに障害者を雇用する考えだ。
・おしぼりやリネン類をレンタルするヴィオーラ(水戸市)は、グループ企業を含め計約180人の正社員・パートが働き、このうち50人弱が障害者だ。藤本昌宏社長は「簡単な仕事を任せるのでなくメインの仕事を任せている」と胸を張る。障害者の従業員は指導員が付き添って、おしぼりを巻く作業などをこなす。
・同社では現場責任者からの指示がなくても作業できるように、洗濯物の畳み方など仕事内容をイラスト入りで示した「タスカルカード」を導入。障害者の全体ミーティングも毎月開き、目標設定などを通じて意欲を高める。様々な工夫が評価され、国と県から障害者雇用の優良企業に選定された実績を持つ。
・一方、埼玉を除く首都圏1都2県の障害者雇用率は低水準だ。東京都内の民間企業の障害者雇用率は2.04%、法定雇用率の達成企業の割合は32.5%でともに全国最下位だった。東京労働局によると、都内には従業員300人未満の中小企業が多く、この規模の企業の障害者雇用率の低さが全体を押し下げている。
・3月からは「従業員43.5人以上」に雇用義務の対象企業が広がった。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、厳しい経済環境下で障害者雇用への理解をいかに深めるかが課題になっている。