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天災・戦争・病気・恐慌など災難をくぐり抜けてきた長寿者・百寿者の辿り着いた心境とは・・・・。 【セミナー特別企画】第11回 <人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方⑪> イェルク・ツィンク『わたしは よろこんで 歳をとりたい』こぐま社2018年

天災・戦争・病気・恐慌など災難をくぐり抜けてきた長寿者・百寿者の辿り着いた心境とは・・・・。
【セミナー特別企画】第11回
<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方⑪>

イェルク・ツィンク『わたしは よろこんで 歳をとりたい』こぐま社2018年

・著者ツィンク,イェルク:1922‐2016年。94歳没。ドイツの神学者。第二次世界大戦の危機の中を生き延びた一人として、世界の人々との共存と平和を唱えつづけた。わかりやすい言葉で、私たちが、いまあるいのちをどんなによろこび感謝しなければならないかを、生涯にわたって説きつづけ、多くの人に共感と感動を与えた。

・訳者眞壁/伍郎:1936年。ドイツ語の教師だったが、看護にひかれ、長年、医療従事者の教育にあたる。自宅で、50年近く子どもたちのための家庭文庫や大人の読書会を開く。新潟いのちの電話元理事、新潟大学名誉教授
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)。

内容紹介
・ドイツの著名な神学者が自らの老いを見つめて語る。

主な言葉
・私たちは何も勇者である必要はない。嘆いても結構。ただ知っておいていいのは絶望するようなことは決してないということ
・昨日いわれた名前を 思い出せいからといって それが どうってことはない なにもかものろくなり しんどくなって当然だ それでもわたしはよろこんで歳をとろう
・つい先ごろ山でカエデの老木に出会った わたしもその木のように ただそこにいて 生きているだけでよいのだ ようやくそのように わたしも成長し自由になった!
・何になるとかしなくてはなど ひとからよく見られるのも もう不要 では わたしはいま どうしていればよいのか? そう ただいるだけでよい
・わたしはよろこんで歳をとろう この一日一日を神に感謝して
・老いを生きるとは 人生の4番目の季節を生きることだ わたしたちは その季節を 一歩一歩 知ってゆく
・歳をとると 感謝の言葉こそが決め手になる 何に感謝するのか といえば まず長生きをさせてもらったことだ
・愛した人たちや 人生の道連れとなってくれた 先生や同僚たちに 感謝しなければならない
・わたしをつくりあげ 働かせてもくれた 経験のかずかずにも 感謝しなければならない
・孫たちの世界を脅かすものがあれば たとえ政治のことであっても わたしは なんのためらいもなく 声をあげる もう まわりを気にすることなど さらさらない
・年寄りは 経験がいっぱいつまった 宝箱をもっているなどというのは うそだ そこには 経験といっしょに 誤りも混じっている 大切なのは 誤りもあることを認めていることだ
・シェークスピアもいっている 「快活なひとは 自分のこころも治める」と  明るさに目を向けるひとは こころに 癒しの力の道筋が ひらけ ひとを肯定し 愛するようになる 光に目を向けるひとに 祝福あれ!だ
・他人の過ちは さっさと許し 自分にできないことは それを認めよう そして おたがいに 平和でいられることを感謝しよう
・わたしたちは何も 勇者である必要はない 嘆いても結構 ただ知っておいていいのは 絶望するようなことは けっしてないということ
・人生の終わりに近づくにつれて 新しいなにかが 私たちのうちに始まろうとする
・すぎ去ったことへの後悔と格闘に 一日一日の時をついやすより むしろその時をこそ わたしたちは感謝で満たすべきではないか
・いまこの歳になり わたしは別離の時を迎えている 自分を磨き上げようなどとの努力からも もうお別れだ
・いま わたしはもう一度若くなりたいとは思わない わたしは 喜んで 歳をとってきた そして 人生という時の境をこえて 神が共におられたことを こころから感謝している
わたしと 人生と 永遠と その境は わたしには いよいよなくなってきている わたしはいま あの夕日が沈む 山の向こうの 光のあるところに 立とうとしている

⦿著者はキリスト者ですからキリスト教の教えも多く含まれてはいます。しかし、説教くささは微塵もない。訳者が「あとがき」で述べているように、ツィンク師の著作は宗教の違いを超えてひろく世界で読まれているそうです。数々の生き生きとした慰めと励ましの言葉が宝石のようにちりばめられています、珠玉の言葉が心にささる一冊といえます。

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Information
  • 開催日2020年4月25日
  • 場所
  • 時間
  • 費用