セミナー情報詳細


【セミナー:特別企画】第40回 <人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㊵>
【セミナー:特別企画】第40回
<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㊵>
相沢英之『相沢英之と司葉子 人生100歳「一日生涯」』双葉社2018年
・著者の相沢英之氏は、1919年7月4日生まれ、1942年に大蔵省に入省するも、太平洋戦争の開戦により陸軍主計少尉として中国、朝鮮半島で業務に従事する。ソウルで敗戦を迎えるもソ連軍によりヨーロッパロシアにて抑留生活を余儀なくされる。1948年、大蔵省に復職後は主計局にて予算編成を担当し、多くの大臣と折衝役を務め、経済企画庁官房長時代に現在の妻・司葉子氏と再婚。1973年に大蔵省官僚のトップの事務次官となる。1976年、衆議院議員選挙で鳥取県で出馬、初当選する。以来9回連続当選。2005年、84歳で弁護士登録し精力的に活動。2019年99歳没。
内容紹介
・戦争体験、大蔵省役人時代、人気女優との結婚、大蔵省(事務次官)退官後の衆議院議員生活、議員引退後の84歳からスタートした弁護士業務…。
・激動の「官界」「政界」「司法界」を歩んだ99年史。第二次世界大戦敗戦からソヴィエトへ決死の抑留体験。田中角栄、佐藤栄作、戦後の日本政治にその名を刻む巨人たちからの学び。さらに健康長寿の話など、自分の人生を「一日最後」と楽しく生きる生涯現役の先人の姿。
目次
序 私が99年で得たもの
第1章 妻とともに50年
第2章 仕事と健康
第3章 太平洋戦争とソヴィエト抑留
第4章 大蔵省から政界へ
第5章 葉子と語る
第6章 父母のこと、10代までのこと
第7章 まだまだやりたいことがある
終わりに 人生遊びをせんとや生まれけむ
・読後感は戦前の国家公務員(高等文官試験合格)の凄さ。戦争体験それもソヴィエト抑留、大蔵省に帰還後のモーレツ役人時代、役人としての矜持・志、政治家との交遊・交渉術、99歳での回顧であることから、穏やかな筆運びで、安らかな気持ちで読める。また、相沢氏は横浜とのかかわりが深く、小学校も中学校も横浜(ことに中学校は神奈川県立横浜第一中学校(現神奈川県立希望ヶ丘高校)。大蔵省退官後は、横浜市長や神奈川県内選挙区から出馬要請があったという。(実際は、妻関係の鳥取県から出馬した。)
相沢英之氏の言葉から
・(43歳の時、2人の息子を残して前妻がなくなり、50歳で女優司葉子氏と再婚を踏まえた言葉)世の中の悪条件に自分をあてはめず果敢に攻めよ。運命の相手と巡り合ったらあきらめないこと。プライベートの充実がキャリアアップにつながった。
・(進路を決めるとき)悩み迷う場合は往々にして選択肢が充実している。時には運に身を任せよ。
・仕事だけでなく趣味、道楽にのめり込むと人生の道幅は広くなる。
・(健康長寿に)魚が私のパワーの原動力。健康に対する考えは人それぞれ、あれこれと考えるより自分に合ったものを探すべし。
・(戦争を体験して)戦争に意味などない、あとには虚しさと悲しさが残る。
・人は極限状況の中でその本質を露わにする。運命はたった数時間の過ごしかたで大きく変わってしまうことがある。
・得る情報の質が命を助ける。小さな嘘が命取りになる。どうでもいいことは隠すな。
・敵に心を閉ざさないこと。心を通わせれば敵が味方に変わる。
・(大蔵省で)大きな目的を持つ組織は役職のへだたりを超え意見を交わすべき。国民奉仕に役職の上下なし。
・時代に流されて己の信念を変えるべからず。
・理不尽な言動で交渉をする相手には一歩も譲るな。
・ボスほど謙虚に研究熱心に。大きな決断をする時ほど「私」を捨てて臨め。
・困難な状況を共にした仲間は活躍の場所が変わっても支えてくれる。
・知力、気力の充実が意思の貫徹を助ける。病気は壁ではない。
・現場を知る人間に直接話を聞くほうが決断の時間を早くする。言葉ひとつの取り扱いで多くの人間が苦しむことがある。
・人事は我慢と粘り腰。汗水たらし奮闘する人間には評価がきちんとついてくる。
・今の役職ではなく未来の自分を考えよ。様々な分岐点で分かれても再び縁が深くなる人もいる。
・不遇の時代こそ困難な問題に立ち向かうべし。子供は親の生き様をしっかりと見ている。
・時間は待ってくれない。窮地の時こそ、その人間の本質が現れる。緊急事態には平時ではソリの合わない相手でも能力を認めたら躊躇せずに登用せよ。
・(10代までのこと)子供時代の原体験は大人になっても残るもの。大いに遊ぶべし。好奇心と遊び心はいつまでも持つこと。
・(まだまだやりたいことがある)政治家は自らがいなくなった後も生き続ける政策を生みだすべき。政治家を目指すなら遥か先の未来のグランドデザインも描けなければならない。
・国がダメなら自分がどうにかするという気持ちを各自治体の首長は持つべし。
・(店仕舞いはまだ早い)奉仕の気持ち、多くの人々との交流、そして家族との暮らしが99年現役でいるための大事な要素である。
・終わりに、仕事もしたが、遊びもした。そういう人生に、終わりはありません。スポーツで身体を動かし、文学・部隊・映画で脳を動かし、生涯現役の土台を作るべし。
相沢氏の言葉は、99歳没まで現役の姿から説得力があります。まさに人生100歳「一日生涯」。
永続的成長企業ネットワーク
代表理事     吉田正博
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Information
  • 開催日2022年10月25日
  • 場所
  • 時間
  • 費用