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【セミナー特別企画】第9回 <人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方⑨> 外山滋比古『100人生七転び八転び』さくら舎2019年

【セミナー特別企画】第9回
<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方⑨>

外山滋比古『100人生七転び八転び』さくら舎2019年

・外山滋比古 1923(大正12)年、愛知県に生まれ。英文学者、評論家、エッセイスト。お茶の水女子大学名誉教授、文学博士。東京文理科大学英文科卒業後、雑誌「英語青年」編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授を歴任。専門の英文学をはじめ、言語論、教育論など広範囲にわたり独創的な仕事を続ける。
著書には240万部のベストセラーとなった『思考の整理学』(ちくま文庫)をはじめ、『「マイナス」のプラス-反常識の人生論』(講談社)、『思考力』『思考力の方法』『忘れる力 思考への知の条件』『「マコトよりウソ」の法則』(以上、さくら舎)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)、『老いの整理学』(扶桑社新書)、『知的生活習慣』(ちくま新書)、『50代から始める知的生活術』(だいわ文庫)、『外山滋比古著作集』(全8巻、みすず書房)などがある。 (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)

内容紹介
・95歳“知の巨人”の枯れない生き方!
・大正、昭和、平成、そして令和へ。95歳の著者が綴る「試行錯誤」人生論。戦争の時代にあえて英語を選んだ反骨精神、名門校の教師から編集者、研究者への転身、売れない雑誌を起死回生させて大バクチ……まさに「七転び八転び」人生の中で、思考と実践によって知を深めてきた。常識にとらわれず、おもしろさを重視する生き方から、さまざまな独創かつ斬新な発想やものの見方が生まれた。
・いまも原稿を手書きし、思考し続けることが100年人生を生きるパワーの源だ。人生の“脱線”のおもしろさを語り、年をとっても頭を働かせる知的な試行錯誤が大切、とエールを送る。「100年人生を生きるコツ」を縦横無尽に語った談話も収録。
・知力は老化とは無縁!人生はいくつになっても試行錯誤、だから楽しい!
・100年人生を生きるパワーの源はおもしろいことを見つける知的な力。頭を未来形で使うと若くなる。95歳“知の巨人”の枯れない生き方!
・「退屈は人生の大敵」こどものときに、いろいろとおもしろいことを考え出した人も、機械的な仕事を中心に何十年も働いていると、おもしろいことを忘れる。新しくおもしろいことを見つける想像力も弱っている。退屈という大敵が待ち伏せているのにも気づかずに、老い急ぐことになる。
こどもは、おもしろいことを見つける。なければ、手作りする能力にめぐまれているが、仕事をしてきた年老いた人には、その力がないのが普通である。個人としてはもちろん、社会としても大問題である。

【目次】
1・反常識の道をゆく
2・ころがる石あたま
3・知と独創のおもしろさ
4・遠くて近い思い出
5・退屈は人生の大敵
6・人間の不思議
補遺・「100年人生を生きるコツ」(外山滋比古・談)

主な言葉
・「(学校を)卒業して、人もうらやむようないい就職をすると、たいていダメになる」「人もうらやむいい就職をした人は、あとがよくないケースが多い。なぜだかわからないが、つまずいてばかりいる人間には福音である」
・「口を使えば頭がよくなる」「もっと重要なのは、声を出すと、頭のはたらきだけでなく、体の健康をよくするということである。そして、声を出すことが運動効果があるという点である」「気のおけない人たちと心ゆくまでおしゃべりをすると、その間だけ頭がよくなるらしい」
・「年齢ごとに頭の使い方を切り替えていく」「長い人生を生きるうえで、ひとついえるのは、年とともに頭の使い方は変わる」「若いころは学んで模倣する時期。その後は学んだことから脱け出したり、既成の概念に反撃する時期」「価値観、生き方を切り替えることが人生には必要なのです。その切り替えによって、変化に対応して健康な活力を維持できるのです」「年をとるとまず記憶力が下がります。でも、その分、逆に思考力が上がります」「年齢によって頭の使い方は変わってくるのです」
・「自分の頭で考えていれば、いくつになっても変わらない」「学校では記憶人間を尊重する。優秀なのはみんな記憶力のいい人です」「でも(中年以降)からその人の真の姿がでてくるのです。地金があらわれるのは、記憶頼みをやめたときなのです」「自分の頭で考えていれば、八十歳であろうと九十歳であろうと、あまり変わりません」
・「若いときには私も一生懸命本を読んで勉強しましたが、本だけしか読まないで、ある程度の仕事をした人はだいたい四十半ばごろから力が落ちてきて、それを挽回する方法がないまま老化していくパターンが多い」
・「もうトシだから、そろそろ考えるぞ」「小学校や中学の同級生を見ても、優等生ほど早く年をとっている一方、暴れん坊だった人は案外長生きをして、わりとおもしろく生きている」
・「おもしろいことがあれば大丈夫」「命が大事で、それに比べれば社会的な評価や職業などは、だんだんどうでもよくなってきます」「明日が楽しみというものがあるかないかで、年のとり方が大きくかわってくるのです」「なんでもいいんですが、おもしろいことがあればあまり年を気にしなくなるんじゃないか。年を気にしないのが、いちばんいい年のとり方じゃないかと思います」
・「年をとると人間が丸くなるとか、いい人になるといった話を以前よく聞きましたが、それは幻想です」「頭を使った生き方とは、換言すれば、“悪人”になって生きるということです。安住せず、しかも新しい何かを生み出す力がある。道徳的な善悪を越えたところで何か新しいものを創造する、いい意味での破壊者です」
・「いくつになっても脱線のすすめ」「人間にとっての生きがいとなる、大きなもののひとつはおもしろさ。おもしろいことがあるというのは、非常な生きがいです」「常識的に考えれば脱線はよくないことだけど、生き方としては、新しいことをするには脱線するしかないのです」
・「不安があるから頭を使う」「緊張感とはいわばハリであり、気持ちのハリがなくなれば、生きる力も低下して、病人のようになってしまうでしょう」「逆説的ですが、このままでは死んでも死にきれない、という状態にするほうが、本当の親切というものです。不安があったほうが頭も使うのですから」
・「生きがいは自活から生まれる」「大切なのは、高齢者がある程度の生きがいをもてるようにすること」「期待や希望が言えるような生き方をするには、やはりなにがしか自分で稼がなくては。できる範囲で自活をする必要があるのです」
・「必要は発明の母、不安は力なりです」

・95歳にして、元気な生涯現役をしめされている外山滋比古氏。氏の著作は多くの読者(学生時代から今日まで)に影響を与えてきました。若いときの著作と年齢を重ねての著作は、長い間の生き方も露わになります。著者は身をもって生き方をしめされている。健康長寿・生涯現役を考える人に、珠玉の言葉が満載の一冊といえます。

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Information
  • 開催日2019年7月25日
  • 場所
  • 時間
  • 費用