【セミナー特別企画】第53回 <人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方(53)>
【セミナー特別企画】第53回
<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方(53)>
樋口恵子『老~い、どん! あなたにも「ヨタへロ期」がやってくる』婦人之友社 2020年
著者:樋口恵子 1932年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、時事通信社、学習研究社、キヤノン株式会社を経て、評論活動に入る。東京家政大学名誉教授。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長。隔月刊誌『明日の友』の特集記事で、暮らしの工夫をたびたび公開。連載中の「人生百年学のすすめ」で自身のヨタヘロぶりを綴り、老いの現実と覚悟を伝え続ける。
・内容紹介
健康寿命と平均寿命の間のおよそ10年を「ヨタヘロ期」という87歳の著者。「老~い、どん! 」の号砲が鳴った自らの生活や、心と体の変化をユーモラスに語る。
また、老いてなお自立して生きるための提言も。大笑いしながら、人生後半の生き方を考えずにはいられない、著者渾身のエッセイ。
■目次
はじめに― 私、ヨタヘロ期真っ最中
第1章 84歳の建て替え引越し大冒険
第2章 おひとり高齢者の食生活
第3章 老いて歩けば
第4章 「人生100年丸」に乗って
第5章 大介護時代をどう生きる?
第6章 老いての自立と支え合い
おわりに
・87歳の私は、満身創痍ならぬ満身疼痛。痛いところだらけです。
・80代半ば近くなれば、自分も配偶者も「要介護」の域に入ったことを痛感します。
・人生の最終段階の幸福のために何をなすべきか、全ての人の問題として考えてほしいと思います。
・悩ましき住宅費 長寿化の中で、人の寿命が家の寿命を追い越して、第2、第3の住居が必要となった。
・私の調理定年は84歳。急激に、こんなに料理が面倒くさくなるなんて。これが老いなんですね。
・高齢者のいるところには、高速化は通用しません。心身の衰えとともに動作は日々低速化し、何をするにも時間がかかるのです。世の中の高速化と逆行して、年と共に体の動きは低速化、かつ誤作動が増えます。
・(二人ほどの友人が認知症ではないかと言われていて、知人が著者に)「二人とも、人もうらやむ孝行娘と同居して、至れり尽くせりのお世話をうけているのよ。あなた(著者)の元気なわけがわかったわ。毎日娘さんと喧嘩しているもの」
・(戦争の被害もうけたり、病気にもなりの人生だったが)その私が87歳でまだ生きているなんて!
・老いの身の衰えをかこつ日もあるものの、基本的にこの世に生きてあることを楽しんでいる。まさに奇跡です、ありがたいです。おかげさまです。
・幸せに生きる人の共通点 「人生を自分らしく、幸せに生きる人」の共通点の一つは、まず、この世に受けた命には始めと終わりがあることを、受け入れていることかなと思います。
・失敗しない人生が成功する人生ではなく、失敗しても立ち上がれる人生。そして転んだ回数よりも1回だけ多く立ち上がり、ひいてはそれが生の充実につながる生き方。仲間がいて孤立無援ではないというのも、共通点かもしれません。
・わたしも80代半ばをすぎてここまで生きてきたら、天寿を全うしたというべきなのでしょう。・・・基本的に感謝をしながらあの世へ行く覚悟をしたいもの。最近は、より「ケアされ上手」になることが必要かな、と感じています。
・この災害の時代に、自分も含めて最大多数の幸せに備えて、生き残る準備をしよう。最低限度、高齢者もできる範囲で自立度を高め、わが身を守る準備、周りの人の心配や負担を多少とも軽くする努力をしようではないか。
・老いて自立は幸いなり 老いて一番他者の幸いに資するのは高齢者の自立かもしれません。
Information
- 開催日2023年11月26日
- 場所
- 時間
- 費用