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【セミナー特別企画】第31回 <人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㉛> 曽野綾子『長生きしたいわけではないけれど。』ポプラ社 2020年
【セミナー特別企画】第31回
<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㉛>
曽野綾子『長生きしたいわけではないけれど。』ポプラ社 2020年
・著者曽野綾子:1931年東京都生まれ。作家。聖心女子大学卒。『遠来の客たち』(筑摩書房)で文壇デビューし、同作は芥川賞候補となる。1979年ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章、2003年に文化功労者、1995年から2005年まで日本財団会長を務めた。1972年にNGO活動「海外邦人宣教者活動援助後援会」を始め、2012年代表を退任。
主な言葉
・人間は、その誕生と死の時だけ、不思議なくらい素朴になる。
・人が死ぬということは自然の変化に従うことだ。・・・、以前と同じような日々の生活の課で、できれば折り目出しく、ささやかな向上さえも目指して生き続けることが望まれている。
・本当は生きているだけで、人間存在の意義がある。
・生き続けているということは、その人に運命が「生きなさい」と命じていることだから。だから表面だけでも明るく日々を送って、感謝で人を喜ばせ、草一本でも抜くことや、お茶碗一個を洗うことで皆の役に立つ生活を考えればいい。
・八十代も半ばになってくると、いつ命が尽きても別に不幸とは思わなくなるのは本当だ。
・人間はどこにいても、どんな状態でもきれいな生き方をすることはできるのだ。
・ドラマの書き手はいつも神で、私たちは下手な役者
・誰でも、たとえ心にどんな悲しみを持っていようが、うなだれずに普通に背を伸ばして歩き、普通に食べ、見知らぬ人に会えば微笑する。それこそが、輝くような老年といものだ。
・老いと死は理不尽そのものなのである。しかし現世に理不尽である部分が残されていなければ、人間は決して謙虚にもならないし、哲学的になることもない。
・一人の人の生涯が成功だったかどうかということは、私の場合、あらゆることを体験して死ねるかどうかということと同意語に近い。
・人間の心身は段階的に死ぬのである。だから人の死は、突然襲うものではなく、五十代くらいから徐々に始まる、穏やかな変化の過程の結果である。
・希望は人間の生理的な働きそのものなのかもしれない。
・仕事は才能のあるなしではなく、継続に耐えられるかどうかだけ。
・成功と幸福を導くシンプルな原理―-要は人間は、自分の得意で好きなことをするのが成功と幸福に繋がる。
→まず自分の得意なものを発見すること。次にそれを一生かかってし続けること。
・日本人の人生や職業に対する評価は、自分が満たされるかどうかより、他人がそれをどう思うかで決められる場合が多いから、一向に自足しないのである。
・自分でも自分は親切だと思っているほど、始末が悪いものはない。親切な人は相手の望まないことまでしようとする。他人の生き方まで道徳的に規制する。
・生きている限り心身共に人の迷惑にならないためには、自分を鍛え続けなければならない。それには一人で歩き、一人で荷物を持ち、一人で考え、一人で暮らすことを工夫することだ。
・「最悪」を予感してものを考えると、私は起こったことをすべてプラスにとらえることのできる「足し算の発想」で生きていられることになる。
→そうすると、あんなこともしていただいた、こんなこともしていただいた、という幸福の連続とおもえるから、不満の持ちようがない。
・尊厳生が与えられれば、尊厳死の方は、大して問題でない。
・人間の一生は「努力半分・運半分」と私はいつも言っているが、実は努力だけを信じる方が、人間は思い上がるような気がする。
→運を信じることの方が謙虚なのである。「何とかなる」という言葉の背後には、神がいるのだ。
・人間の幸福の姿は種々雑多だが、不幸の形は意外とよく似ている。
・人間は与えることによって大人になっていく。
→自分が与える側に立つと、ほんのちょっとしたことでも楽しくなるものだ。相手が喜び、感謝し、幸せになれば、コチラの心はさらに満たされる。
・死ぬ予感がないと他人のことに囚われる。
→死を近く思うと、人は時間を自分のためにだけ使うようになるだろう。
⦿88歳にして、様々な苛烈な言動で耳目を集める著者(人生の達人)が教える「人生100年時代」を静かに全うするため心得。「ささやかな人生こそ、ゆったりと愉しみたい」「死んだら、私の痕跡がきれいに消えることを願う……」「他人と比較したり、身内に煩わされることなく、『老い』や『孤独』を愉しみながら、ただただ穏やかな『終活』をするための」言葉が、珠玉の言葉として心にささる一冊である。
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Information
  • 開催日2022年1月25日
  • 場所
  • 時間
  • 費用