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【セミナー特別企画】第29回 <人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㉙> 和田秀樹『六十代と七十代 心と体の整え方』パジリ2020年
【セミナー特別企画】第29回
<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方㉙>
和田秀樹『六十代と七十代 心と体の整え方』パジリ2020年
☞今回は、長寿者・百寿者の言葉ではなく、高齢者医療の専門家の後半生のステージを生きるための知恵、実践的かつ思索的処方箋を取り上げる。
・和田秀樹(わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって、高齢者医療の現場に携わっている。主な著書に『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別 医学的に正しい生き方』(講談社)、『「人生100年」老年格差』(詩想社)などがある。
内容紹介
読むと生きる意欲が湧いてくる本!
・健康診断はやばい。ピンピンコロリは幸せか。クスリと書いてリスクと読む。間違いだらけのメタボ健診。ちょいポチャのすすめ。運動し過ぎると寿命が縮む。もっと肉を。もっと光を。好色のすすめ。金はドンドン使う。孤独はそれほど悪くない。テレビを捨てて街に出る。明日は明日の風が吹く。さよならだけが人生だ。等々。
主な言葉
・平均寿命が延びたということは、現実面で言うと認知症や長期にわたる入院生活といった、極端にQOLが低下した状態が長く続くということ。つまり、若返り現象によって八十歳、九十歳になっても六十代のように元気であるという魔法のような話ではなく、医療技術の進歩によって「なかなか死ねなくなった」ということ。
・(私が勤務した高齢者専門の病院で)八十代になればほぼ全員が脳にアルツハイマー型変化や脳梗塞のような変化が生じ、九十歳で六割、九十五歳では八割の人が認知症を発症します。
・(ガンや骨粗鬆症を含め)こうした体の変調の主因はすべて加齢による老化です。
・一口に高齢者と言っても各年代によってその特徴は異なる。
・六十代。五十代くらいから前頭葉の萎縮が進み、「感情の老化」が始まっている。
・六十代という年代はまだまだ元気であり様々な可能性がある反面、人生における大きな心理的危機が生じる年代でもある。
・七十代は、体力も見かけも個人差がかなり顕著になる年代。
・七十代後半になると、いよいよ高年世代を特徴付ける認知症の兆候が顕著になってくる。
・六十代では定年がメンタル面での大きな危機要因であったのに対し、七十代では「死」が現実感をもって感受されるようになる。
・(とはいえ,)昔と異なり七十代の大半は、まだ認知機能が正常であり歩行に不自由もしない。言い換えれば、自立した生活を送れる最後のステージであるともいえる。
・自分に向き合い家族との関係を含めて八十歳以降のステージをどのように設計するかを考えなければならない世代だとも言える。
・八十歳以降となると、あちこち体の不調を自覚することが格段に多くなり、日常の中でそれまでできていたことができなくなるという変化がはっきりと表れてくる。
・このステージでは、何よりも心を平穏に保つことが肝要、そのためには誰にでも平等にやって来る「老い」と「病」、そしてその先の「死」を受け入れる精神が必要となって来る。
・老化の実態。一般に、人間の身体機能は二十歳をピークに、その後少しずつ衰えて行く。
・老化による具体的な変化として、形態的には身長の収縮や背骨の湾曲、皮膚のたるみやシワ、生理的には視聴覚の不調や記憶障害、運動能力の低下、病気に対する抵抗力(免疫力)の低下などがあげられる。これらの変化はすべて、細胞の老化や死滅によって起きる現象。
・加齢によって体中ほとんどの部分で衰えが進行していくのは動かし難い事実。
・人は「心」から老化する。
・脳の部位で最初に老化するのが前頭葉である。
・認知症より「感情の老化」の方がはるかに早く始まる。
・前頭葉は、脳の中でも最も遅く成熟し、最も早く老化する部位。年を経るにしたがって意欲や創造力、判断力などが減退し、感情の制御が困難となっていく。
・感情の老化による一般的な変化としては、些細なことで怒りっぽくなる、自ら何かをしようとする意欲が減退することなど。・・・要するに、何をするのも億劫になる。
・高年世代の理想的生活の在り方は「心はノンビリと、脳と体は活発に」。
・(高年世代は)「モノ」より「コト」、すなわち体験が大切。「コト」は確実に心身を活性化する。友人との交際、美味しいものを食べる、旅、映画や音楽、美術の鑑賞、学びたかったことを学ぶ等々、よく考えれば自分の人生を豊かで充実したものにする「コト」はいくらでもあるはずです。
・欲望を肯定する。生きている間は懸命に生きようとする在り方、すなわち生命力自体に真の「美しさ」が宿っている。
・欲望を抱くということは生きている証左です。欲望がなくなるということは、老化が進み生命の灯が消えかかっているということに他ならない。
・組織のくびきから解放された高年世代の方々は、もっと自由な精神をもって欲望を肯定しながら生きていくべきではないでしょうか。
・一般に老化が進むと何でもかんでも溜め込むという傾向が出てくる。・・・できるだけモノを少なくし、シンプルで清潔な生活を心がけることによって心の老化を予防することができる。
・「レットイットビー(Let it be)」。自分の人生をあるがままに肯定し、何も恐れず、何も心配しない。やりたいことをやり、食べたいものを食べ、合いたい人に会う。そして、口笛を吹きながら今日という日を生きていく。人生終盤の生き方とは、そのようにあるべきです。
☞今回は、高齢者そのものの言葉でなく、高齢者医療の現場で多くの高年世代を見てこられた専門家の言葉で、これから行く、進む、世界への心の準備をしたいと考え 取り上げた。現実を知ることは重要。著者(和田秀樹)の言葉は後半生を生きる処方箋であり、これからの人生の指針となる一冊といえます。260409225_4886008034756911_3987459461328522086_n
Information
  • 開催日2021年11月25日
  • 場所
  • 時間
  • 費用