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【セミナー特別企画】第12回 <人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方⑫> 石原慎太郎『老いてこそ生き甲斐』幻冬舎2020年

【セミナー特別企画】第12回
<人生100年時代へのヒント:長寿者/百寿者のことば・生き方⑫>

石原慎太郎『老いてこそ生き甲斐』幻冬舎2020年

・著者石原慎太郎:1932年神戸市生まれ。一橋大学卒。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」で第1回文学界新人賞を、翌年芥川賞を受賞。ミリオンセラーとなった『弟』や2016年の年間ベストセラー総合1位に輝いた『天才』、『法華経を生きる』『老いてこそ人生』『子供あっての親―息子たちと私―』『男の粋な生き方』『狂獣』『救急病院』など著書多数。

内容紹介
・人生の成熟がもたらす 最後の楽しみとは何か。ベストセラー『老いてこそ人生』から18年。たどり着いた新たな境地。
・69歳の時に執筆したベストセラー『老いてこそ人生』を、87歳になった著者は、「70にもならぬ男がたとえ物書きだとしても老いを含めて人生を語るというのは身の程を知らぬ僭越としかいいようがありません」と述懐する。
・最晩年に達した今だからこそ実感する「老い」という現実。そして、古今東西の偉人たちの晩年のエピソードも交えながら語る「老い」という人生の味わい。

主な言葉
・生あるものは必ずそれを失い死ぬのは必定であって、それに近づく老いをどう受け止め、老いてどう生きるかは限りある人生の最後の問題です。
・老いも、老いてからの病も、誰にとっても辛いのは目の前に死を意識するからであって、どうせ人間は誰でも死ぬというこの世の原理を心得ていれば、老いには自然に馴染めるはずです。
・(それにしてもですが)自殺する男に物書きや小説家が多いのはいかなることでしょうか。昔から有島武郎に始まり太宰治、三島由紀夫、川端康成、評論家の西部邁と全て私の知己ですが、それぞれ理由があろうと私には男として納得出来ません。彼等は何故死ぬまで老いと戦うことがなかったのだろうか。
・優れた男というものは皆、優れた死に際を見せてくれるものです。
・老いは往々仕事に関する自信を殺いでしまいがちですが、年齢の堆積は今までになかったスキルを体得させてくれるものです。それを見限って手を休めることは人生への冒涜でしかありはしない。
・老いの恐ろしさは、休息は衰退に繋がるという肉体の公理をすぐに証しだすということ。
・老いてから自分の体に自信を欠いてきたなら、いたずらに医者などに頼らず自分で出来ることを日頃試みて、老いの不安を取り除きたいものです。
・老いに対する立ち向かいの術は、先ず何よりも慨嘆しないことです。つまりこの自分には必ず明日があり、さらにまたその翌日もあるのだと自覚して、その日何をするかを積極的に考え、その日の計画を立てて臨むことです。
・ともかく老いはいろいろな執着への断絶を強いてきますが、それに耐えて向かい合うことこそ自分一人でしか出来ない責任の履行であり、新しい生き甲斐への活路に違いありません。
・老いるまで長い人生を歩んできた老いたる者たちこそ、後からこの世にやってくる者たちのためにも常に新しい生き甲斐を見出し、人生を見事に全うしなくてはなりません。
・それは老いたる者のこの世に対する責任でもあります。

⦿選者(吉田正博)も、70がまもなく見える世代となり、著者のいう「70にもならぬ男が・・・老いを含めて人生を語るというのは身の程を知らぬ僭越としかいいようがありません」に同意。87歳になった高齢者(著者)の言葉が、珠玉の言葉として心にささる一冊である。

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Information
  • 開催日2020年6月25日
  • 場所
  • 時間
  • 費用