セミナー情報詳細


【セミナー報告】 横浜経営未来塾(第2回)

永続的成長企業ネットワーク企業である「アーバン・コーポレーション(株)」の経営幹部・幹部候補者に対し、『UC(アーバン・コーポレーション)・ MBAセミナー』として第2回目を開催しました。(全6回予定)

16252288_1411644928859923_3603894569424357186_o 16178862_1411646442193105_7799141228915406041_o 16143387_1411645452193204_984519808730458236_o 16178586_1411645992193150_5357900892263311521_o

1 開催日 平成28年12月21日(水)

2 会 場 アーバン・コーポレーション(株)
3 参加者 10名(受講者7名(外国出張のため2名欠席)と塾長・講師・助言者)
4 テーマ 【第2回】「会社にはどのような強みと弱みがあるのか。」
5 主な内容
・前回(第1回)は、環境の分析を取り上げた。今回は、経営資源の分析を取り上げる。
・経営資源の分析で何がわかるか。SWOT分析におけるSWは資源の分析から分かる(強み[Strength]と弱み[Weakness])であり、OTは環境の分析から分かる(機会[Opportunity]、脅威[Threat])である。
・環境と資源の分析し、それを関連づけていくと、会社の方向性(経営戦略)が分かる。実行するには経営計画(短期、長期)が必要である。
・伊丹などの研究によると、経営資源には、ヒト、モノ、カネ、情報がある。人的経営資源として企業の各種の仕事に従事する人びと、物的資源として、原材料、工場、機械設備、オフィスなど。資金的資源は、土地、建物、機械設備の購入、原材料の購入、従業員への給与支払いにふりむけられる資金。情報的資源として、商品や企業のもつ信用力・ブランドや経営・技術的なノウハウなど。
・必要度からみた分類として、企業活動にとって物理的に必要不可欠な「絶対的経営資源」と企業のスムーズな活動するのに必要な「相対的経営資源」に大別される。とりわけ相対的資源は、絶対的資源を使ってはじめて成果をもたらす。
・調達難易度による分類(経営資源を企業外部からの調達の難易度:経営資源を蓄積するのに要する時間、コストの程度)の観点から、企業が市場から調達が容易な「可変的資源」と、その保有量を企業が増減させるのに時間がかかり、またその調整に相当にコストがかかる「固定的資源」に大別できる。固定的資源こそが、企業に個性を与え、またその成長の大きさと方向性を規定するため、戦略上重要な資源(企業間競争力の源泉)である。
・期待効果による分類として、相補(コンプリメント)効果資源は、資源をすべて使い切れば他に転用のできない、いわゆる多重利用のできない足し算的な合成効果しか期待できない資源、これに対し相乗(シナジー)効果資源は、同時に複数の人が利用可能で、かつ使い減りがしにくく、使っているうちに新しい情報が他の情報との結合で生まれる。掛け算的な合成効果が期待できる資源。
・経営資源の特徴は、まず有限であること。そこで経営資源の効率的な調達と配分の必要性が生じる。ここにマネジメントの有意性がある。もうひとつの特徴は、環境変化への対応力の源泉であるということ。すなわち、環境の変化にたいして、経営資源の活用いかんにより、その対応力に大きな差が生じ、企業の命運を制する。ここに経営戦略の有意性がある。企業間に業績格差が生じるのは、マネジメントや経営戦略の巧拙の差によるものである。
・情報的経営資源の「戦略的」価値は、信用力、ブランド力、技術力などの「情報的資源」は、固定的資源の中でも極めて調達が難しい。その他の固定的資源と比較して資金を出しても買えないことが多く、自社で開発・蓄積するしかない。またそうするのに時間がかかり、したがって情報的資源は競争他社との差別化の武器になりうる。
・ヒト、モノ、カネといった目に見える資産に対して、特に情報的資産を「見えざる資産」と称し、企業経営においてその戦略的な重要性が指摘される。
・具体的に、情報的資源は、①事業をうまくやるのに必要、②金を出しても買えない、③蓄積するのに時間がかかる、④一度蓄積されると社内の誰もがいつでも活用できる、といった特徴をもち、競争戦略を考えるうえで重要となる。
・情報資源には、3つのものがある。ひとつは、企業が外部環境についての情報をもっていることである。そして、ふたつ目は、外から企業はどう見られているかという企業情報であり、それは企業イメージ(信用力、ブランド等)につながる。
・もうひとつは、組織風土、モラール、経営管理能力などであり、会社のカルチャー、経営スタイルのことである。企業の文化も資源なのである。
・現在の経営者は、会社の強みは何か、足りている、強みとなっている、蓄積されている資源がなになのかを知る必要がある。
・斉藤講師の説明のあと、受講生のそれぞれの所属・業務内容から会社の強み・弱みについて、発表・意見交換・議論を行った。多くの受講者からヒト、人材が話題にのぼっていた。
[使用テキスト:斉藤毅憲編著『経営学を楽しく学ぶ』1990年、2版2002年、中央経済社]
(文責:塾長 吉田正博)

Information
  • 開催日2016年12月21日
  • 場所
  • 時間
  • 費用