【訪問型サロン】(第1回)
<Yokohama Excellent Company (YEC) 第1回>
『アーバン・コーポレーション㈱の田上龍二社長に聞く』(その1)
1 日 時 2015年5月18日
2 場 所 アーバン・コーポレーション㈱本社
3 聞き手 永続的成長企業ネットワーク代表理事 吉田正博
々 理事 斎藤毅憲(文責)
4 内 容 以下の通り
・システム開発と経理の記帳代行などを主要な事業分野(ドメイン)するアーバン・コーポレーションの本社オフィスを訪問して、田上龍二社長に同社の経営について、お話をうかがった。同社の本社は横浜駅東口から徒歩7分のところにある横浜東口ウィスポートビル17Fにある。このビルには、MM21に移転する前の日産自動車がオフィスを構えていた。情報化の時代とはいえ、横浜駅などに近く、ベストなロケーションに本社がある。
・起業家としての田上社長 社長は起業家であり、同社の設立は27歳であった1992年のときである。したがって、設立から20年以上が経過し、経営者としてのキャリアもこの間つみかさねてきた。設立前に2社の創業にかかわっているが、スポンサーや設立仲間の背信もあって短期間のうちに挫折している。設立時には、よくあることであるが、田上社長もこれを経験している。
・起業の動機とか、起業をおしすすめた推進要因は、前職における人事処遇上の問題にあった。仕事自体には魅力を感じ、現在の事業内容と関連しているわけであるが、処遇の制度にはあまり満足していなかったとインタビューでは感じられた。
・ところで、この起業の動機を説明するための考え方として、ⓐチャンスの活用行動とⓑ不満の解消行動の、ふたつに分類するものがある。前者は起業はチャンスを活かすために行われ、後者は不満を解消するために行われると考えるものである。田上社長の場合には、このふたつの考え方が起業につながっている。
・仕事自体はおもしろく発展性が期待され、スポンサーの引き(プル)もあり、チャンスがあると思ったので、このチャンスを活かすことになっている。しかし、他方で当時の職場に勤務していても不満は解消できそうにもないので、これを解消するために退社し起業することになったともいえる。要するに、引きなどのチャンスを活用したいという思いと職場での不満をとり除きたいという思いが、社長の頭のなかにはあったのかもしれない。
・ところで、田上社長は起業家であることを自認し、後継経営者とのちがいを意識しているという。社長は横浜青年会議所で活動してきた後継経営者を知己にもっているが、後継経営者には先代までに蓄積されてきたもろもろの資産が付着しているという。起業家はまさに「ゼロからの出発」であるのに対して、後継経営者は先代までが多額の借金や赤字でもかかえていないかぎりは、「プラスからの出発」になっていることをいいたかったのであろうと思っている。確かに、後継経営者には事業分野を含めて先代からの継承があるが、起業家には、そのような継承はなく、まさにみずからつくるという創造だけの世界で生きている。
・もっとも、後継経営者も継承の世界だけで生きることができないのが現代であり、創造の世界にも入り込んでいる。そうでなければ企業としての生存がはかれないことも確かな現実である。したがって、懸命に生存をはかろうとする後継経営者の行動は、起業家のものと現象的にきわめて近似しているであろう。 [以上 (その1)/3回連載]
[2015.7.5]
- 開催日2015年7月5日
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