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【誌上テーマ別サロン】(第4回)

【誌上テーマ別サロン】(第4回)
<基礎講座>
社長との距離が近いスモール・ビジネス
―「中小企業経営学入門」(4)

1 社長との距離が遠い大企業
・大企業は組織の構造がしっかりつくられ、仕事上の分業や専門化がすすむという「職能別専門化」(部門や課をつくる)がとり入れられるだけでなく、階層(ヒエラルキーともいう)化を使用している。この結果、社長から組織の末端(ボトム)で働く人びとの間に、数多くの階層がつくられることになる。現代は高度の情報化の時代なので、Eメールなどを使えば、社長との接触は可能となるが、階層上の関係でいうと社長との距離は遠く、直接的に接触したり、会話を交わすチャンスはきわめて少ない。社長との距離は、地球と火星や月、太陽などとの関係ほど遠いというビジネス・パーソンもいるのである。

2 接触機会が日常的にあるスモール・ビジネス
・これに対して、スモール・ビジネスにおいては、階層数も少なく、従業員数が少数の場合には、社長と日々接触して仕事を行っている。つまり、社長との距離は近く、短いのである。これもスモール・ビジネスの“いいところ”である。
・この距離感の近さ、短さとは、従業員が社長のすぐそばで仕事をできることを意味しており、コミュニケーションをよくとれることである。そして、社長の息づかいや表情などもじかに感じることができるわけである。このコミュニケーションをうまくとれるということは、社長との一体感づくりに役立つので、全社目標の実現につながっていく。これに対して、大企業では社長との距離はきわめて遠くなるので、コミュニケーションもとりずらく、一体感をつくるのもむずかしくなる。

3 社長は「キヨク、タダシク」あれ!
・接触機会が日常的にあるスモール・ビジネスには、以上で述べた“いいところ”があるが、しかし、社長が「キヨク、タダシク」ないと、“いいところ”が生かされないことになる。公私混同をするとか、エコヒイキをするとか、ひどいハラスメントをする、などには注意しなければならない。それは、一体感どころでなく、むしろ離職者を生みだすことにもなる。
・社長の息づかいや表情などをじかに感じることができるということは、従業員は社長の姿を直接にみていることであり、社長はつねに“見られている”ことを意識して活動しなければならない。

永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学名誉教授  斎藤毅憲
[2015.2.15]

Information
  • 開催日2015年2月15日
  • 場所
  • 時間
  • 費用