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【誌上テーマ別サロン】第55回 <基礎講座>   大きくなるスモール・ビジネスを増やそう! ―「中小企業経営学入門」(55)―

【誌上テーマ別サロン】第55回
<基礎講座>
大きくなるスモール・ビジネスを増やそう!
―「中小企業経営学入門」(55)―

1 存続(サバイバル)モデルが示しているもの
・私の主張する存続モデルによると、スモール・ビジネスにはA型(継続型)、B型(健全型)、C型(無力型)、D型(成行き型)の4つのタイプが分類されるようになる。
・A型とB型は経営力が高く、これに対してC型とD型は経営力が相対的に低いものになっている。A型とB型は、とりあえず経営力をもち、それを発揮すればよいのであるが、C型とD型については経営力が欠如しているので、おかれている環境がきびしくなると、仕方がないことであるが、存続することがむずかしくなってしまう。経営力もないので、経営資源の強化や充実をはかることもおそらく考えることはできないであろう。したがって、C型とD型の将来については、どうしても悲観的にならざるをえない。
・意識改革を経営者みずからが誓い、経営力をつける努力を行い、さらに経営資源を強化・充実するように、方向転換をすることがC型とD型の存続のためには必要となる。要するに、企業としての「生きぬく力」を身につけることが求められている。
・それは、日本の経済や産業の発展に貢献することになる。そこで、A型やB型に転換するC型やD型が増加することが期待されている。そして、製造業で従業員が20名以下、その他の業種で5名以下の小規模企業の減少が顕著になり、地域が衰退しているのが日本の現状であるが、それをおさえる必要がある。

2「継続型」は多くない!
・大きくなる可能性があるのは、A型の継続型である。しかし、それはスモール・ビジネスの多数派ではなく、むしろ少数派になっている。ということは、スモール・ビジネスの一部しか、大規模になるチャンスは少ないことを意味している。これに対して、B型の健全型は、とりあえずはA型に変わることが大切である。そして、その可能性も確実にある。そこで、経営成果が実現するようにする必要がある。

3 大きくなるスモール・ビジネスを増やそう!
・経営学の立場からいうと、スモール・ビジネスは経営力をつけ、経営成果をあげることに努力していくことが必要である。わが国では右肩あがりの経済発展の時代には企業の成長はみられた。しかし、低成長への移行、そしてバブル経済の崩壊のなかで大企業をはじめとして明瞭になってきたのは、経営力の不足や未熟さである。そこで、いまこそ経営力の育成が求められている。
永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学名誉教授  斎藤毅憲

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  • 開催日2019年5月5日
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