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【誌上テーマ別サロン】(第2回)

【誌上テーマ別サロン】(第2回)
<基礎講座>

働きがいの場としてのスモール・ビジネス
―「中小企業経営学入門」(2)

1 経営を実感できる「自己成長の場」としてのスモール・ビジネ
小さな企業の“いいところ”は、企業経営の全体が見えるという「可視性」にあり、それは経営を実感できることであり、この実感はつぎの活動の源泉となると ともに、自己成長にもつながると(1)で述べた。この議論に関連していえることに、スモール・ビジネスが働きがいを提供できる場であるということである。

2 仕事の達成が企業の成果に直結していることの大切さ
企業規模が小さく、働いている人間も少ないスモール・ビジネスでは、各人の仕事ぶりが企業の成果である業績に直結していることがわかるようになっている。大企業では仕事の分担が細分化され、分業体制がとられており、各人の仕事の達成と企業の成果との関連性は必ずしも見えてこないのであるが、スモール・ビジネスにおいては、その関係が比較的見えると考えられる。
あるセールス・パーソンが成果をあげたので、販売高がアップし、それが企業の業績向上に結びついたことが一目瞭然にわかるのである。逆に、努力したにもかかわらず売上高が低下すると、企業の業績も下落してしまうことがわかるようになっているのが、スモール・ビジネスなのである。要するに、スモール・ビジネスにおいては、大企業とちがって、各人の仕事達成と企業成果の「直結性」がみられている。

3 「働きがい」を生みだす直結性
この直結性は、働く人びとにとっては自分の企業成果に対する貢献(度)がわかることであり、とくに仕事をしようと思っている人間には働きがいとなる。したがって、この貢献の程度がわかることは仕事への動機づけ(モチベーション)をアップさせることにつながっている。
そして、この直結性を実感できるのもスモール・ビジネスの“いいところ”である。すでに述べた可視性と、この直結性を実感して働けることは、働く人びとにとって、極めて貴重なものと思っている。

永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学名誉教授  斎藤毅憲
[2014.12.15]

Information
  • 開催日2014年12月15日
  • 場所
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