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【誌上テーマ別サロン】第10回

【誌上テーマ別サロン】第10回
<基礎講座>
「シンプルな企業構造」のスモール・ビジネス
―「中小企業経営学入門」(10)

1 原型としての「所有、経営、労働の一体化」
・ある人物が起業したとしよう。この人間(彼・彼女)は自分のもっているお金を元手に企業をつくり、実際に働きはじめたとすれば、オーナー(出資者)であるとともに、経営者でもある。機能的にいうと、出資者で企業をもっているということから「所有」、そして経営者としての仕事も行っているので「経営」を遂行していることになる。
・さらに、従業員も雇用せずに一人で仕事をしているとすれば、労働者・従業員(オペレーター)の役割も果たし、労働の機能を担っていることになる。つまり、このような1人企業においては、所有、経営、労働がこの人間に一体化・結合しており、「所有、経営、労働」の三位一体がみられている。

2 小規模企業の企業構造
・1人企業が成長すると、数名の従業員の雇用がスタートする。この段階では所有と経営は一体化しており、オーナーは経営者の役割を果たしている。それだけでなく、みずから従業員の行う仕事も担っているが、雇い入れた従業員に労働の機能を引きうけさせるようになる。これによって、「経営と労働の分離」が行われる。部下となる従業員を経営者は直接的に指揮・指導できるので、経営者と従業員との関係は直接的(ダイレクト)なものである。

3 規模拡大のなかでの構造変化
・所有と経営と労働の一体化から経営と労働の分離へ進むが、さらに企業規模が拡大し、従業員が20名、30名、40名と増加するにともなって企業構造が変化してくる。所有と経営の結合は依然としてつづくが、経営者が部下全員に指示を与えることができなくなり、管理者を自分の下におき、この人びとを通じて従業員をコントロールするという間接的な関係がつくられることになる。ここで経営者と管理者という階層的なものだけでなく、製造部長(工場長)、営業部長、総務部長などといった職能(主な仕事)別にも行われるようになる。
・このように、スモール・ビジネスといっても企業の構造には大分ちがいがみられるが、大企業と比較すると基本的にシンプルなのである。

永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学名誉教授  斎藤毅憲
[2015.7.31]

Information
  • 開催日2015年7月31日
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