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【訪問型サロン】(第6回) <Yokohama Excellent Company (YEC) 第6回> 『㈱キクシマの菊嶋秀生社長に聞く』[(その3)/3回連載]

【訪問型サロン】(第6回)
<Yokohama Excellent Company (YEC) 第6回>
『㈱キクシマの菊嶋秀生社長に聞く』[(その3)/3回連載]

1 日 時 2019年6月28日
2 場 所 ㈱キクシマ関内オフィス
3 聞き手 永続的成長企業ネットワーク代表理事 吉田正博
々        理  事 斎藤毅憲(文責)
々        フェロー 増田竜雄
4 内 容 以下の通り

[ヒューマン・リソース(人的資源)を大切にする経営] インタビューのなかで、もうひとつ感じたのが、働くヒトを大切にする経営を行っていることであった。技術を重視するが、根本や前提は「真心」であるから、ヒトを大切にするのは当然なのであろう。
・女性の活躍やワーク・ライフ・バランスを推進していることは、「よこはまグッドバランス賞」の継続的な受賞でわかるし、そして「横浜健康経営」ではクラスAAAを認定されている。「働き方改革」がいわれ、「健康経営」が重視されているのが昨今の状況である。キクシマの場合、クラスAAAということで、健康経営へのとり組みが高く評価されている。
・また、「業務の充実と安心」を大切にし、技術研修と人間性の教育を実施し、明確な評価制度を確立することで、ヒューマン・リソースの定着化に努力している。上長との面談を行い、ヒューマン・リソース重視の経営を行っている。

[今後の経営展開に対するコメント] 明確にうかがわなかったが、今後の展望については、社長がこれまで推進してきた方向性をさらにすすめていくのかと感じた。とくに創立50周年をこえ、確立した経営基盤のうえに、多様な展開が試みられてきたが、これをいっそう推進していくことになるであろう。おそらくそれが正しい道である。“社会に開かれた企業”であるために、多様な対応をとっているので、うまくいくものもあり、他方で必ずしも思いどおりにならないものもあると思われる。そして、変化の時代はつづいているので、臨機応変の対応がもとめられるのかもしれない。
・この多様な展開には、ヒューマン・リソースが必要になるであろう。しかし、社内でそれが不足していても、オープンな経営を行い、多様なステイクホルダーと接触しているので、コラボによってその不足を確実に補うことができると思われる。
・ヒューマン・リソースで、むしろ気にかかったのは、同社の従業員数が60名をこえ、グループ企業の協立工業も30名をこえており、企業規模としてはかなり大きくなってきたことである。
・この規模になると、どうしても組織の構造化が職能的にも階層的にも行われ、個々のヒューマン・リソースの関心は自社全体よりも自分の仕事に集中するようになり、他部門への関心は希薄になり、人間関係やコミュニケーションはうまくいかなくなるおそれが生じてくる。そして、社長などのトップ・マネジメントは日々すべての従業員と接触することも少なくなる。
・同社は、少人数の雇用者しか、いなかったときに見られた濃密な人間関係にもとづく「信頼の経営」が少しづつ困難になるような企業成長の段階に近づいているように思えた。

[社長のコメントに対する回答] さて、かつて永続的成長企業ネットワークの発会式で、私は企業は存続することが大切であるとしながらも、成長することももとめるであろうと述べたのに対して、パーティの席上で、社長は私に「企業は大きくならなければならないのか」といった趣旨のことをコメントしてくれたことを思い出している。
・そのときは、いい返事ができなかったようである。いまであれば、ムリして大きくすることはないといいたい。成長は企業活動の成果(アウトカム)であり、努力はするが、ムリのないかたちで得られた成長であれば、それはよしである。大きくすることが目的ではなく、“生活のサポーター”として社会に貢献することが企業にとっては大切なのである。
・東京の大企業は、単純に大きくなることをもとめているように思われる。しかし、京都の典型的な企業は大きくなることだけをもとめず、「適正規模論」という考えをもっているという。企業活動がステイクホルダーに受けいれられたことを示す成果として成長するのであれば、それでいいが、このくらい規模でいいという自制的な適正規模の考え方をもってもよいのではないかと思っている。そして、東京の大企業のように、ただただ成長をもとめる必要はないと考えている。

[インタビューを終えて] 約100分の時間はたちまちのうちに過ぎてしまった。カッコヨク、明るい社長との話しあいは楽しかった。つぎに会うときには、どのような多様な展開を話してくれるのかと、想像しながら訪問型サロンを終えた。                  [以上(その3)/3回連載]

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Information
  • 開催日2019年7月16日
  • 場所
  • 時間
  • 費用