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【企業永続へ:経営者に贈る言葉⑨] ~ユヴァル・ノア・ハラリ氏の言葉~
【企業永続へ:経営者に贈る言葉⑨]
~ユヴァル・ノア・ハラリ氏の言葉~
企業(特に永続を目指す)経営者は、常に時代の変化に適応しなければならない。
そして、生き残るために未来に備えなければならない。
今回、世界1200万部突破の『サピエンス全史』著者が予言する戦慄の未来を取り上げる。
・ハラリ氏は、『サピエンス全史』では私たちがどこからやってきたのかを示した。そして『ホモ・デウス』で私たちがどこへ向かうのかを示す。
・私たちはどこへ向かおうとしているのか。人工知能や遺伝子工学といったテクノロジーとホモ・サピエンスの能力が合体したとき、人類は何を求め、何のために生きるのか、そして世界に何が起きるのかを問う!
・我々は不死と幸福、神性を目指し、ホモ・デウス(神のヒト)へと自らをアップグレードする。そのとき、格差は想像を絶するものとなる。
・この3つ(不死と幸福、神性)を目指す理由
第1の理由は、従来の課題(飢饉、疫病、戦争の克服)を達成したこと。
第2の理由は、歴史は空白を許さず、サピエンスを待ち受けているのは「充足ではなくさらなる渇望」であり、「成功は野心を生み」、そこに「科学界の主流の動態(ダイナミクス)」と「資本主義経済の必要性」が加わると、新しい課題の追求が始まる。そして、
第3の理由が、過去300年にわたって世界を支配してきた人間至上主義(ヒューマニズム)だった。「人間至上主義は、ホモ・サピエンスの生命と幸福と力を神聖視する。不死と至福と神性を獲得しようとする試みは、人間至上主義者の積年の理想を突き詰めていった場合の、論理上必然の結論にすぎない」
・今のところ、人間至上主義にとって代わるものものとして最も有力なのは、人間ではなくデータをあらゆる意味と権威の源泉とするデータ至上主義だと、著者ハラリ氏は言う。
・データ至上主義の観点に立つと、人類全体を単一のデータ処理システムと見なし、歴史全体を、このシステムの効率を高める過程と捉えることができる。この効率化の極致が「すべてのモノのインターネット」だ。だが、大量で急速なデータフローには、人間をアップグレードしても対処できない。「人間はその構築者からチップへ、さらにはデータへと落ちぶれ、ついには急流に呑まれた土塊のように、データの奔流に溶けて消えかねない」
・では、サピエンスの未来に希望はないのか。断じて違う。著者(ハラリ)は、楽観はしていないが、絶望もしていない。希望が見える。それは、生命はデータ処理だけではない可能性と意識が知能よりも重要である可能性。もう一つは、本書の予測が、予測のための予測ではなく、未来を変えられるという前提で思考や行動を促す提言であること。
・私(吉田正博)は、経営者に贈る言葉として、
ハラリ氏の衝撃の未来の中で、特に経営者として今後二つのテーマを視野に入れた未来に備えるべきと思う。
① 不老不死の追求
② ハピネスの追求
21世紀に生きる人類として、あらゆる経済活動のベースに、この二つのテーマを考え行動することが、経営環境の変化に対応できると思う。
☞ユヴァル・ノア・ハラリYuval Noah Harari
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。
出所:ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』(上)(下)  2018年 河出書房新社
(選:吉田正博)
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Information
  • 開催日2023年2月20日
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