【サロン特別講座】第10回 <企業永続のために絶対陥ってはいけない!> ―「倒産の事例研究」⑩― 「山崎ダイカスト株式会社」 (アルミダイカスト業 事業譲渡し、自己破産申請へ)
【サロン特別講座】第10回
<企業永続のために絶対陥ってはいけない!>
―「倒産の事例研究」⑩―
「山崎ダイカスト株式会社」
(アルミダイカスト業 事業譲渡し、自己破産申請へ)
・山崎ダイカスト(株)(資本金8000万円、横浜市港北区綱島東3-6-5、代表山崎博次氏)と関係会社のロード電子工業(株)(資本金1500万円、登記面=同所、代表山崎裕子氏)は、12月2日付で事業を譲渡し、事業の移管が完了した段階で自己破産を申請する予定であることが明らかとなった。
・山崎ダイカスト(株)は、1963年(昭和38年)10月創業、65年(昭和40年)12月に法人改組された。
・アルミニウム合金を主力に、マグネシウム合金、亜鉛合金を使用した自動車部品、精密部品、 装飾品など各種精密ダイカスト部品の設計、製造を手がけていた。
・秋田県仙北郡に自社工場を有し、一貫生産体制と技術力および高い品質が得意先からの信頼を得て、電機・電子メーカーなど大手企業を主力得意先とし、かつてはDVDレコーダーやブルーレイディスクレコーダーなどのヘッド部分にあたる光ピックアップ部品の製造を中心として、音響機器やゲーム機器、通信機器なども手がけ、2008年5月期には年売上高約52億1000万円を計上していた。
・しかし、テレビゲーム機向けの需要が減少したうえ、ブルーレイディスク向けの需要も落ち込み業容は縮小。
・このため、自動車部品関連や、放送用分配機などにシフトする一方、一部設備の集約などを進め改善に取り組んでいたが、2024年5月期の年売上高は7億円内外にとどまるなど、抜本的な立て直しに至らず金融債務も重荷となっていた。
・このため、山崎ダイカスト(株)およびロード電子工業(株)の事業を(株)プログレス(山梨県都留市)が新たに設立した(株)プログレスダイカスト秋田(秋田県仙北郡)へ全て譲渡したうえで、山崎ダイカスト(株)およびロード電子工業(株)は、事業譲渡の実行後、自己破産を申請し清算することとなった。
・ ロード電子工業(株)は、1981年(昭和56年)11月に設立された。山崎ダイカストグループとして工業用計測器および光ファイバー接合部品の製造を手がけていた。
・負債は、山崎ダイカスト(株)が2024年5月期末時点で約29億5000万円、ロード電子工業(株)が2023年5月期末時点で約1億9000万円だが、その後変動している可能性がある。
・なお、事業については(株)プログレスダイカスト秋田において継続されている。
Information
- 開催日2025年1月5日
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