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【サロン特別講座】第３回

＜企業永続のために絶対陥ってはいけない！＞

　―「倒産の事例研究」③―

「株式会社藤丸 など2社」

(元・百貨店経営　特別清算開始命令受ける　負債34億600万円)

（株）藤丸（資本金5000万円、登記面＝帯広市西2条南8-1、代表清算人藤本長章氏）と、関連会社のふじまるビル（株）（TDB企業コード:030100787、資本金5000万円、同住所、同代表清算人）は、5月20日に釧路地裁帯広支部より特別清算開始命令を受けた。

・（株）藤丸は、1900年（明治33年）創業、50年（昭和25年）10月に法人改組された。長年の業歴を有する老舗業者で、当初は呉服商として創業、その後、1930年以降に百貨店の業態に変更し、帯広市内で百貨店「藤丸」の経営を行っていた。

・十勝管内および道東地域では唯一の地元資本の百貨店として、帯広市内のみならず北見市のほか、オホーツク・釧根エリアにも固定顧客を有し、衣料関連を主体に食料品や雑貨などの商品を扱っていた。

・店頭販売を主体に一部外販による営業展開で、92年8月期には年売上高約145億7300万円を計上。

・地域に根ざした老舗百貨店として相応のブランドを有し、顧客より支持を得ていた

・しかし、デフレ不況による個人消費の低迷などから集客は伸び悩み、2002年8月期から4期連続で赤字計上を余儀なくされていた。

・このため、2006年8月期より社有不動産の売却や従業員給与の削減など大幅なリストラを実施。

・これらが奏功して、その後4期連続で経常黒字を回復していた。

・その後も地域人口の伸び悩みが続くなか、ネット通販など他業態との競合や札幌圏への顧客流失などから、業況の本格改善には至らなかった。

・2020年に入ってからは、新型コロナ感染拡大の影響による営業時間短縮を余儀なくされ、2021年8月期の年売上高は約44億7600万円にダウン、7期連続で欠損を計上し、経営難に陥っていた。

・この間、金融機関より借入金の元金据え置きの返済猶予を得て業況の改善に努めていたが、2023年1月に百貨店「藤丸」を閉店。その後、当社は、2023年11月29日開催の株主総会の決議によりに解散していた。

・ふじまるビル（株）は、1979年（昭和54年）12月に設立され、（株）藤丸が運営していた百貨店に付帯する不動産賃貸・管理業務などを手がけていたが、同社に連鎖した。

・負債は、（株）藤丸が約25億4000万円、ふじまるビル（株）が約8億6600万円、2社合計で約34億600万円。

・なお、百貨店業務の再開に向けて新会社である藤丸（株）（帯広市）が2022年12月28日付で設立されている

[出所：帝国データバンク]