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<マイ・オピニオン:[帰省日記]> 『郷里の商店街に思う(12)』

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『郷里の商店街に思う(12)』

・お盆になったので、8月9日に帰省した。帰省客の多い時期なので、コンビニやショッピングセンターは、それなりに人が入っている。早速、復活した旧百貨店の「昭和レトロ」の食堂を見に行く。客が多く、6階の食堂から下の4階まで、多くの人が並んでいる。もともと食べるつもりはないので、人の動きを見るだけにした。普段の状態を知りたいので、これではあまり参考にならないと思ったからである。
・いつものワンコソバで夕食をとる。混雑している。帰省客のほかに、観光客がきている。観光客の目あては、ワンコソバであり、ひっきりなしに来店する。「正月と盆」という言葉があったが、そのとおりであった。
・翌朝、高校の友人と駅前のホテルに行き、コーヒーを飲みながら、いろいろ話した後、国道4号線を車で北上した。空港まで行く道路ぞいにロードサイド店が並んでおり、新たな商店街(商業ゾーン)である。そのなかのひとつを見てきた。店名が示しているように、“パワー”を感じさせる店舗である。計算したわけではないが、イメージ的にいうと100メートルと50メートルの長方形の店舗は巨艦というにふさわしい規模である。専門の業者も利用できる建築用の材料・機械から、日用品まで多くの品揃えがされ、しかも低価格がつけられている。ともかくも、その大きさに圧倒されてしまった。
・しかし、これだけのものができると、明らかに同業的な店舗はダメージを受けるのかと思った。帰省前に、私のゼミのOB・OGの勉強会で、カジュアル衣料品の最大手にかつて勤務し、この店舗に比較的近い地域に店舗をつくった男性の話を思いだした。地域の個人商店で2,000~3,000円の商品を500円ぐらいでセールスするから、個人商店は大変であっただろうという。要するに、勝負にならないのである。
・帰浜するまでに、自宅に近いコンビニとショッピング・センターをなんどか利用した。コンビニで売られている商品がいつもと変わらないが、ショッピング・センターのほうはお盆関連の商品がどうしても高くなっているように思われる。それは仕方がないのであろうが、消費者としては若干納得いかないところがある。
・惣菜コーナーには、小皿の100円のものがあり、単身者には購入しやすいと思った。地方でも単身者や少人数家族が増えており、そのニーズにこたえるものになっている。もっとも、お盆でお客が来る家では、ボリュームの多いものが必要なようで、大きなセットも陳列されている。これもニーズにこたえるショッピング・センターの対応であろう。そして、今年の8月の上旬から中旬までは、あつくなく、むしろ寒い感じであったので、スイカを食べる感じではなく、コンビニではオデンが販売されていた。
・急用ができてしまい、あまり人に会うこともなく、8月16日に帰浜したが、ロードサイド店の巨大店舗を見ることが収穫であった。

            永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学名誉教授  斎藤毅憲