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<マイ・オピニオン:[帰省日記]>『郷里の商店街に思う(8)』

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『郷里の商店街に思う(8)』

・例年の1月おくれのお盆のときの話が前回の(7)(2015年9月7日)であった。11月にも私用で帰省したが、まちをみて歩くほどではなかった。北国も春本番の4月末に帰ってきた。桜はほぼ終わったが、山桜は残っているし、チューリップなどの花は、咲きそろい、美しいの一言である。田おこしをしており、農作業もスタートしたことを思わせる。
・全国的にも知られている割りばしを使ってソフトクリームを食べさせる百貨店が閉店になることがニュースになったのを知っていたので見に行った。開店から43年がたち、この6月で閉店になるという。私の出身高校の女子生徒たちがこの閉店を聞き、立ちあがったというテレビ放映(4月29日)がフジテレビであったが、残念であると思いつつも、企業側の事情からすれば仕方のないことなのであろう。
・閉店後どのようになるのかは、まだ不確定で、繁昌していた昭和レトロの食堂部門の行く末が心配である。この百貨店と道路をはさんで位置していたところに八百屋を開業したことをこのシリーズの(4)(2014年12月7日)で書いたが、八百屋はなくなり、これにかわって「サービス付き高齢者向け住宅」の工事が行われていた。老いを支える施設がまちの中心街に11月にオープンするという。この施設を紹介するチラシには、目の前にある百貨店に歩いて行けると書いているが、この売りはもう使えなくなりそうである。
・今回の帰省で、少し元気になったのは、JR東北線の駅前周辺に動きが見られていることである。不動産開発などにかかわる「家守舎」という組織が私の郷里にもつくられ、若い経営者たちがまちづくりや商店街の活性化に貢献しはじめていることを知った。この家守舎の動きについては、昨年8月私が出身高校の同窓会で講演を依頼された際に教えてもらっていたが、今回は具体的な活動を見ることができた。女性や若い人たちが集まってきそうなレストラン兼カフェが駅前周辺にオープンしている。地方では駅前の衰退が進んでいるといわれるが、再生の動きが少し出てきていると思われた。
・帰浜の前夜は、いつものことだがわんこそばの老舗で夕食をとる。女将さんと話をしたが話の中心は「サービス付き高齢者向け住宅」のことであった。まちなかの施設はいいが、月額費用の金額やサービスの内容で話が盛りあがった。

             永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学名誉教授  斎藤毅憲
[2016.5.25]