<マイ・オピニオン:[商店街よ!元気になーれ(4)]>
The Most Excellent Shopping Street in Kanagawa
1 「かながわ商店街大賞」を受賞した商店街
・平成24年度から神奈川県や商連かながわなどの経済団体によって「かながわ商店街大賞実行委員会」が発足し、大賞を決定してきた。どこが魅力あふれる商店街なのであろうか。これが“The Most Excellent Shopping Street”とした理由である。
・これまでに4つの商店街が表彰されている。平成24年度の第1回は、協同組合元町エスエス会(横浜市中区)、平成25年度は、ドブ板通り商店街振興組合(横須賀市)、平成26年度は、モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合(川崎市中原区)、2016年1月の第4回の平成27年度は、六角橋商店街連合会(横浜市神奈川区)が大賞になっている。
2 特色ある商店街づくりの典型例
・4つの事例は、いずれも特色ある商店街の典型であり、受賞はきわめて妥当である。
・第1回目の元町は、「ハマトラ」などで全国的にも知られた商店街であり、現在でも発展のイメージをもっている。MM21など、横浜の流通業(小売業)の環境変化ははげしいが、みごとな健闘ぶりを示している。
・近年では電気自動車を充電施設を設置したり、授乳室・おむつかえルーム、フィッティングルーム、多機能トイレなどをそなえつけた常設パウダールームをつくり、利用者サービスの向上に努めている。
・第2回目のドブ板通りは、横須賀市を代表する商店街であり、120回、30年を越えた“どぶ板バザール”はよく知られている。横須賀はアメリカ軍との関係が深かったので、「アメリカにもっとも近い商店街」がコンセプトになってきた。
・近年では横須賀・海軍カレー缶詰の開発を行っている。また、アメリカ軍の軍属家族の協力を得て、無料英会話教室を開設している。さらに、各種のイベントを展開している。
・第3回目のモトスミ・ブレーメン通りは、ドイツ・ブレーメンの商店街との交流やブレーメンの音楽隊(グリム童話)をコンセプトにした商店街づくりが評価されている。
・ドイツ製法のビールの製造・販売、ブレーメンの音楽隊にならった商店街メンバーによるビックバンドのイベントや定期演奏会の開催などを行っている。また、100店を越す店舗で「一店一エコ運動」を展開し、環境にやさしい商店街を目指している。
・最後の4つ目が2016年1月に表彰された六角橋商店街連合会である。周辺には神奈川大学のキャンパスがあり、同連合会は約170店舗からなる駅前商店街である。
・イベント開発では、すぐれた成果をあげており、その事例として1997年からは夜だけのフリーマーケットイベント「ドッキリヤミ市」を開催されている。その後、大日本プロレスとの連携による「商店街プロレス」や選挙の折には「選挙割り」などを実施している。
3 つぎはどこの商店街が大賞になるのか
・4回まで行われてきた商店街大賞であるが、来年はどこが大賞になるのであろうか。私には少し気になるところである。準大賞とか、特別賞などですでに表彰されている商店街のなかから有力な候補がでてくるようにも思われるが、楽しみである。
・商店街は生活だけでなく、文化をも支えているから、その商店街が元気であることはとりわけ周辺の生活者にとって大切なことである。品ぞろえはあるが、没個性の大型量販店にないものが商店街にはあるように思っている。どんなアピールする商店街が来年は選ばれるのであろうか。そして、そのアピールは当然商店街の活性化・元気度に関係しているのである。
永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学名誉教授・放送大学客員教授
斎藤毅憲
[2016.7.15]