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<トピックス>2019年の景気見通しに対する神奈川県内企業の意識調査 帝国データバンク調査から 2019年景気、「悪化」局面を見込む企業が27.8%に急増 ~ 「消費税制」が最大の懸念材料に ~

<トピックス>2019年の景気見通しに対する神奈川県内企業の意識調査 帝国データバンク調査から
2019年景気、「悪化」局面を見込む企業が27.8%に急増 ~ 「消費税制」が最大の懸念材料に ~

はじめに
・2018年12月10日に発表された7~9月期の実質GDP成長率2次速報は、前期(4~6月期)比0.6%減(年率換算2.5%減)と、2四半期ぶりのマイナス成長となった。人手不足の深刻化に加えて、台風や地震など自然災害も重なり個人消費や輸出、設備投資などが悪化した。一方、有効求人倍率の上昇など雇用・所得環境の改善傾向を示す指標もあり、業種や地域で景況感の格差が表れている。
・帝国データバンク横浜支店では、2018年の景気動向および2019年の景気見通しに対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年11月調査とともに行った。なお、景気見通しに対する調査は2006年11月から毎年実施し、今回で13回目。
■調査期間は2018年11月16日~30日、調査対象は神奈川県内に所在する1,022社で、有効回答企業数は417社(回答率40.8%)

調査結果
① 2018年の景気動向、「回復」局面だったと判断する企業は10.8%となり、前回調査(2017年11月)から10.4ポイント減少、2年ぶりの低下。他方、「踊り場」局面とした企業は55.4%と4年連続で半数を超え、「悪化」局面は14.4%と2年ぶりの2ケタ台へと増加
② 2019年の景気見通し、「回復」局面を見込む企業は9.6%で、2018年見通し(前回調査22.6%)から大幅に減少。「踊り場」局面を見込む企業も前回からわずかに下回ったものの、「悪化」局面を見込む企業(27.8%)は2015年見通し以来となる水準まで増加。景気の先行きについて、1年前より慎重な見方を強めている企業が急増している
③ 2019年景気への懸念材料は「消費税制」(55.6%、前回調査比32.1ポイント増)が最高となり、「人手不足」「原油・素材価格(上昇)」が続いた。米中における関税引き上げなど「貿易摩擦の激化」は12.9%に
④ 景気回復のために必要な政策、「人手不足の解消」が40.0%でトップ。次いで、「法人向け減税」「個人消費拡大策」「個人向け減税」「消費税率引き上げへの対策」など、総じて消費関連が上位の多くを占めた。他方、「外国人材の拡大」「高齢者登用」「出産・子育て支援」「女性登用」などを重要施策と捉える企業は1割前後にとどまった。

まとめ
・2018 年の景気は、「回復」局面と考える企業が2 年ぶりに低下した一方、「悪化」局面とする企業は2 年ぶりに2 ケタ台に増加するなど、景気動向は前年から一転して厳しさの増す一年となった。さらに、2019年の景気を「回復」局面と見込む企業は前回調査より半分以下に減少しており、景気の先行きについて1 年前より慎重な見方を強めている企業が急速に増加している様子がうかがえる。
・2019 年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料として「消費税制」をあげる企業が55.6%に達した。
・2019 年10 月に予定されている消費税率10%への引き上げに対して、半数を超える企業が景気への影響を懸念していることが浮き彫りとなった。
・また、労働市場がひっ迫するなか、深刻化する「人手不足」による景気への影響を懸念する企業も多いほか、原材料価格の上昇をあげる企業も4 割近い。2019 年の景気は、「消費税制」「人手不足」「原材料価格の上昇」が大きなポイントとなるだろう。
今後の景気回復に必要な政策として、多くの企業が「人手不足の解消」をあげている。さらに、「個人消費拡大策」や「個人向け減税」、「所得の増加」など消費関連に向けた政策を求める企業は依然として多く、個人消費の活性化を強く求めている様子もうかがえる。
・企業は、2019年10 月に予定される消費税率引き上げによる影響を非常に懸念しており、景気の先行きへの厳しい見方を強めている。今後、経済の好循環を達成するため、政府は人手不足の緩和や消費活性化に向けた政策を推し進めることが一段と重要になるにちがいない。

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/s181202_20.html