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<トピックス>神奈川県内「社長年齢」の分析(帝国データバンク調査から) 社長の平均年齢は61.1歳、過去最高を更新 ~ 50歳以上が8割を占める ~
<トピックス>神奈川県内「社長年齢」の分析(帝国データバンク調査から)
社長の平均年齢は61.1歳、過去最高を更新
~ 50歳以上が8割を占める ~
[はじめに]
・昨今、日本企業の後継者不足は深刻な社会課題であり、このまま改善されなければ国内経済に重大な影響を及ぼすとされる「事業承継2025年問題」が現実味を帯びてくる。
・後継者の不在率は減少傾向で推移するなど明るい材料も見られる一方で、2022年度の「後継者難倒産」(全国)は過去最多の487件を数え、足元では既に経営リスクとして顕在化している。
・そこで帝国データバンク横浜支店では、神奈川県の「社長年齢」について調査・分析を実施した。
[調査結果]
1. 2022年時点の社長の平均年齢は61.1歳。前年を0.1歳上回り過去最高を更新。全国平均(60.4歳)を0.7歳上回る
・社長が交代した割合は3.47%、前年から0.1pt低下。全国平均(3.82%)を0.35pt下回るなど、引き続き低水準で推移
・社長交代時の平均年齢は69.0歳、70歳目前の段階で交代している結果に
2.「50歳以上」の社長が8割を上回り、5年間で4.5pt上昇
・業種別では「製造」が63.2歳で最も高い
〈参考〉都道府県別、トップは秋田県の62.4歳、最も低いのは三重県の59.1歳
[今後の見通し]
<顕在化する社長の「高齢リスク」、時間的余裕のある丁寧な事業承継を>
・神奈川県における 2022年の社長平均年齢は61.1歳と過去最高を更新した。1990年(平均53.5歳)と比較すると7.6歳上昇しており、高齢化に歯止めがかからない。
・また、社長交代時の平均年齢は69.0歳と、70歳に迫る高水準であった。
・帝国データバンクが集計した2022年度の後継者難倒産では、その主な要因として「代表者の病気・死亡」が占める割合が47.8%にのぼり、過去10年間で最も高かった。
・社長が高齢化し事業承継への着手が遅れた場合、社長の高齢リスクによって承継が間に合わないケースや、充分な引き継ぎができず承継後に経営が行き詰まる懸念もありそうだ。
・こうした現状を踏まえると、スムーズな事業承継を実現するためには早期の着手が欠かせないといえる。
・中小企業庁が公表している「事業承継ガイドライン」において、事業承継の構成要素として主に“人・資産・知的財産”の観点があげられているが、それらを短期間で後継者に引き継ぐことは難しい。
・事業承継は急を要するものではなく後倒しにされる場面も少なくないが、突発的に引き継ぐことになれば、自社のみならずステークホルダーへの悪影響も生じかねない。バトンタッチの時期を見据えながら、時間的余裕を持った事業承継を進める必要があるだろう。