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<トピックス>「変革と挑戦、500年企業に学べ」日本経済新聞記事より
<トピックス>「変革と挑戦、500年企業に学べ」日本経済新聞記事より
・羊かんで有名な「虎屋」。和菓子を作り続けて500年という老舗。
・500年続く虎屋の歴史は時代に沿って変わり続けた歴史といえる。
・「歴史が長いからといって、それが今の我々を保証してくれるわけではないと思うのです。大切なのは今。『お客様が求めていらっしゃるものは昨日とは違う』といつも言ってきました」。
☞いまや「サステナビリティー(持続可能性)」の大合唱だ。
・しかし変化を望まぬ多くの日本企業をみると、身を縮め目の前の苦境をしのげれば持続できると思い込んでいないかと感じざるを得ない
☞危機のときこそ次の時代を読んで大胆に踏み出す。そうした挑戦の先にこそ、長きにわたる繁栄の道がつながっているのではないか
・・・・・・・・・(以下、日本経済新聞記事)・・・・・・・・
変革と挑戦、500年企業に学べ
大機小機 2021年6月19日
・羊かんで有名な「虎屋」。和菓子を作り続けて500年という老舗だ。同社が歩んできた激動の歴史をたどると、新型コロナウイルス下の今の経営に多くのヒントがある。
・創業は室町時代の京都だ。明治維新、遷都という時代の変革を機に、東京進出を決断した。新聞に積極的に広告を出し、はがきで注文をとる手法によって新たな販路を広げることに成功した。英文の広告も出した。
・次の転機は関東大震災だ。ビラを持って企業を回る営業に傾斜した。当時高額だった輸入のトラックも導入した。お菓子を広報する月刊誌を出し、著名人に寄稿してもらうことも試みた。今でいうSNS(交流サイト)のインフルエンサーであろうか。
・太平洋戦争の困難も乗り越えた。戦中は営業時間を短縮、女性店員を多く抱えた。戦後の物不足時代は喫茶店、パン製造などを手掛けた後、砂糖の統制解除でやっと本格的な和菓子製造に戻った。
・500年続く虎屋の歴史は時代に沿って変わり続けた歴史といえる。現代もカフェやコラボ、若者向けの商品開発など挑戦を続けている。そして同時に想像が及ぶのは、虎屋のように変われず、歴史の波で姿を消した企業の方が圧倒的に多いだろうことだ。
・さらに注目すべきは、時代の節目に次の若い当主に経営を委ねてきたことだろう。2020年6月、35歳(当時)の18代目に新社長のバトンがわたっている。
・弊紙夕刊コラム「人間発見」で会長に就いた黒川光博さんが話している(20年10月2日付)。「歴史が長いからといって、それが今の我々を保証してくれるわけではないと思うのです。大切なのは今。『お客様が求めていらっしゃるものは昨日とは違う』といつも言ってきました」
・さらにこう続く。「これからは気候変動への対応や、多様性(ダイバーシティ)といった問題に目配りしないと取り残されてしまう」
・いまや「サステナビリティー(持続可能性)」の大合唱だ。しかし変化を望まぬ多くの日本企業をみると、身を縮め目の前の苦境をしのげれば持続できると思い込んでいないかと感じざるを得ない。
・危機のときこそ次の時代を読んで大胆に踏み出す。そうした挑戦の先にこそ、長きにわたる繁栄の道がつながっているのではないか。  (赤金)