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<トピックス> 特別企画:2018年神奈川県内企業の社長分析 平均年齢60.3歳、過去最高を更新 ~社長の平均年齢、製造業が最高~

<トピックス> 特別企画:2018年神奈川県内企業の社長分析
平均年齢60.3歳、過去最高を更新
~社長の平均年齢、製造業が最高~

はじめに
国内で高齢化が進んでいる。「平成29年版高齢社会白書」(内閣府)によると、65歳以上の高齢者人口は3459万人に達し、総人口の27.3%を占めた。2065年には約2.6人に1人が65歳以上になることが推計されており、高齢化による様々な影響が懸念されている。企業においても経営者の年齢は上昇傾向で推移しており、円滑な事業承継が企業の持続的繁栄のカギとなっている。
帝国データバンク横浜支店は、2018年1月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」(約147万社収録)から企業(個人、非営利、公益法人等除く)の社長データを抽出。神奈川県内約5万社を、業種別、年商規模別のほか、社長の年齢、出身大学、出身地などの属性データを集計・分析した。

調査結果(要旨)
1.業種別に社長の平均年齢を見ると、「製造業」が62.7歳と最も高かった
2.年商規模別に社長の平均年齢を見ると、「1億円未満」が61.5歳と最も高く、年商500億円未満のすべての年商規模において1990年よりも平均年齢が上昇、中でも「1億円未満」は当時の52.3歳より約9.2歳上がっている
3.出身大学別に社長数を比較すると、1位「日本大学」(1663人)、2位「慶應義塾大学」(721人)、3位「東海大学」(717人)はじめ、多数上位校4校までの順位は前年と同じだった
4.出身地別に社長数を比較すると、首位は「神奈川県」の2万7245人。次いで「東京都」の4710人で、多数上位9位までの順位は前年と同じだった 。

[主な調査内容]
1.業種別
業種別に社長の平均年齢を見ると、最も高かったのは製造業の62.7歳だった。次いで、卸売業の61.6歳、不動産業の61.2歳が続く。年代の分布を見ると、製造業および卸売業は70代、不動産業は80歳以上の社長構成比が他業種に比べて多いことが影響し、平均年齢を引き上げている。

2.年商規模別
年商規模別の平均年齢を見ると、「1億円未満」の61.5歳が最も高く、「1000億円以上」の61.1歳がこれに続いた。年代の分布を見ると、概ね年商規模が大きいほど60代の社長が多く、小さいほど70代や80歳以上の社長が多い傾向となっており、平均年齢を押し上げている年齢層が違っていることがわかる。また、平均年齢の推移を見ても、「500億円以上1000億円未満」が1990年と比べ4.2歳若返っているものの、「1億円未満」は9.2歳高齢化しており、事業承継の遅れや若者の起業の減少などから、小規模企業の社長の平均年齢が上がり続けている様子がうかがえる。

3.出身大学別
出身大学別に社長数を比較すると、1位「日本大学」(1663人)、2位「慶應義塾大学」(721人)、3位「東海大学」(717人)、4位「関東学院大学(602人)と、多数上位校4校までは前年と同順位だった。上位校を中心に社長数が前年比減少となっている大学が多い中、「早稲田大学」(555人)は、前年の6位から5位にワンラックアップした。
社長の出身大学上位10校順位(前年)
1(1)日本大学1,663(1,711) 2(2)慶應義塾大学721(729) 3(3)東海大学717(715) 4(4)関東学院大学602(596) 5(6)早稲田大学555(566) 6(5)明治大学554(575) 7(7)法政大学539(562) 8(9)神奈川大学523(536) 9(8)中央大学509(537) 10(10)青山学院大学278(287)

4.出身地別
出身地別に社長数を比較すると、トップは「神奈川県」の2万7245人。次いで「東京都」の4710人。以下、「北海道」、「静岡県」、「福島県」、「新潟県」、「鹿児島県」、「福岡県」、「千葉県」と続く多数上位9位までの順位に変動はなかった。

まとめ
神奈川県内企業の社長の平均年齢は集計を開始した1990年の53.5歳から一貫して上昇を続け、2016年に60歳を突破、2017年は60.3歳と過去最高を更新し、全国平均の59.5歳を上回る。神奈川県は全国47都道府県別では第10位だが、3大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)の中では平均年齢が最も高い。
年商規模別で、「1億円未満」の小規模企業の平均年齢(61.5歳)が一番高く、1990年当時と比べて9.2歳も上昇している。他方、年商規模が「500億円以上1000億円未満」では90年に比べ4.2歳の若返り、「1000億円以上」では1.0歳若くなっている。この背景には、若者による起業の減少という問題に加え、事業承継の遅れという面が大きい。小規模企業の大半は、次世代へ事業を承継させたい意向があっても、現状ではその魅力に乏しく、後継者を確保することが困難となっている。
『神奈川県2017年「休廃業・解散」動向調査』(2018年2月20日発表)』では、休廃業・解散した企業947社の中で代表者の年齢が70歳以上の企業は521社と55.6%を占めた。事業をたたむ企業にも高齢化の波が押し寄せている。
国内経済のさらなる発展には、事業承継の支援策の拡充に加え、起業家の育成や支援を加速させ、新たな経済の担い手を創出することが重要となろう。
(帝国データバンク横浜支店発表資料より)

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/s180203_20.html