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[特別企画] 『「本」からみた横浜の経営者(第9回)』 藤木幸夫(2004)『ミナトのせがれ』神奈川新聞社刊

 

[特別企画]
『「本」からみた横浜の経営者(第9回)』

藤木幸夫(2004)『ミナトのせがれ』神奈川新聞社刊

・藤木企業のトップとして活躍してきたことで知られてきた横浜を代表する経営者である。1930年生まれで、1998年には横浜文化賞を授与されている。本書は神奈川新聞に133回にわたって連載された「わが人生・藤木幸夫」に加筆、修正したものである。
・プロローグ「母の死、父の涙」のあと、前編「ミナトのおやじ・藤木幸太郎のこと」、中編「生い立ちの記」、後篇「ミナトのせがれ」、そしてエピローグ「私は親父のコピー」からなっている。前編は50項目、中編が36項目、そして後篇が46項目からなっており、父親のことを多く書いた前編をうけて、自分の生い立ちとその活躍ぶりが述べられている。本のタイトルにある“せがれ”はまさに父親にあってことであり、自叙伝であるが、父親や母親のことが多くスペースをとっている。
・内容のおもしろさは群を抜いている。しかも、ことこまかく書かれており、著者の記憶力のすごさに驚かされる。
・日本経済新聞の『私の履歴書』は1か月のものであり、約30回であるが、133回の長編の連載には敬服するばかりである。
・一度読んでいただけると、昔の横浜、ミナト横浜のこともわかってくるように気がしてならない。
・なお、祖父江一郎『ミナト・ヨコハマ親子情話―ある家族の肖像―』(疾風怒濤社、2006年)も藤木の親子のことを書いている。これもまたおもしろい。
永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学名誉教授  斎藤毅憲

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