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[特別コラム:第18回] 『第18回障がい者雇用が生む経営改善効果<社員の意識が変わる>』

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[特別コラム:第18回]
『第18回障がい者雇用が生む経営改善効果<社員の意識が変わる>』

1.CSR企業の障がい者受入れ
・横浜市にある石井造園株式会社は、従業員数が10名程度の小さな造園会社です。しかし、CSRの取組み水準が極めて高く、横浜でも有名な会社です。品質CSRの取組みもしっかりしており、仕事がていねいで、横浜市の「優良工事施工会社」や「優良工事請負業者」の表彰を何度も受けています。当然、現場の労働安全にも配慮し、これまで大きな事故はありません。
そこで、地域でCSRに取り組む企業を厳しい基準で認定する横浜市の「横浜型地域貢献企業認定制度」の認定も受けています。
・この会社では、発達障がいの実習生を受け入れ、現場で作業にあたってもらいました。
(写真:石井造園HPより)

*石井造園のCSRについては、「ヨコハマNOW」が分かり易いです。
http://yokohama-now.jp/home/?p=11663

2.現場の意識がさらに高まる
・造園業ですから、チェーンソーや刃物を使います。もちろん、実習生にそれらを扱わせたわけではありませんが、万が一に事があるといけません。障がいのあるなしにかかわらず、経験のない素人では、けがをする可能性があります。
・現場の職人たちもそれを危惧しました。その結果、それまで、事故もなく、片付けもしっかりしてきてはいましたが、さらに安全意識が高まります。

3.リスクマネジメントが進む
・第13回で、情報セキュリティに絡めて、リスクマネジメントの難しさに触れました。成果を表現する変化が見えないと、取組みの意義がわかり難く取り組みが手薄になることもあります。しかし、実習生のおかげで、社員の意識が自然に高まるという効果が見受けられたのです。

4.仕事に対する意識も変わる
・石井造園の事例ではなく、別の会社の事例ですが、障がい者が一生懸命仕事を覚えようとする姿や、やっと仕事に就くことができて両親を安心させることができて、本当にうれしいと語る姿を見て、健常者社員が自分の仕事に対する姿勢を反省し、一生懸命働くようになる、といった話もよく聞きます。
・普段、ちょっとしたことで仕事や会社に対する不満を持っていた自分に対して、やりがいや仕事の面白さを感じる自分もいることを思い出し、やりがいを持って働く意義を再確認するからなのではないでしょうか。

永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学教授  影山 摩子弥