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[特別コラム:第16回]『第16回 障がい者雇用が生む経営改善効果<社内の雰囲気改善 その2>』

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1.もう1つの事例
第7回に登場した鎌倉のお弁当屋バニーフーズでも、前回の甲斐電波サービスと同様の効果がみられます。現在は、社員の人間関係もよく、社長と社員の信頼関係も形成され、社内の雰囲気が非常に良い会社です。社員たちは、こんなにいい会社はないと言います。
しかし、以前は、仕事中に社員がいがみ合い、社内が荒廃しきっていました。その中、知的障がい者を雇用したことによって、荒廃しきった社内の雰囲気が大きく改善したのです。

2.いがみ合う社員たち
バニーフーズはお弁当屋です。調理を行うことから、女性社員がたくさんいます。女性はグループを作る傾向があります。そして、場合におってはグループ間でいがみ合う傾向があります。
バニーフーズもまさにそうでした。上記のように、今は、人間関係がよいのですが、かつては、朝から怒号が飛び交い、けんか腰で仕事をするような現場でした。
「あんたなにやってんのよ!早く揚げ物揚げなさいよ!」
「今やってるでしょ!うるさいわね!」
みたいな感じだったのではないでしょうか。
これでは、お客さんが来てもよい接客はできなかったでしょう。お客さんもその雰囲気を感じ取ったに違いありません。  [写真①]

3.職場が穏やかに
そんな中、知的障がい者2名を雇います。一人は重度の障がいがあります。知的障がいがあるからか、いがみ合う微妙な空気を読まず、毎朝一人一人に「おはようございます」と丁寧に挨拶をして回ります。そうすると、次第にいがみ合っている女性たちの雰囲気が柔らかくなってきます。人間関係がどんどん改善したのです。 [写真② バニーフーズHPより]
今では、障がい者をどのようにサポートするかを社内で話し合い、協力し合う、大変良い雰囲気の会社になりました。

4.事例をもう1つ
第9回に登場したユーユーハウスを設立したリプロ株式会社は、ユーユー・カイカンという日帰り温浴施設を運営しています。そのリネン室では、精神障がい者が働いていますが、障がい者を軸に、社内で最もチームワークの良い部署になっています。

永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学教授  影山 摩子弥