お役立ち情報詳細


[特別コラム:第11回]『第11回 障がい者を戦力にする!<付加価値戦略 その2>』

1.障がい者が焼く絶品パンと本格ピザ
・ファールニエンテは、横浜市泉区の市営地下鉄「下飯田」駅前にある、おしゃれな雰囲気の建物です。中に入ると、イタリアンレストランとパン屋に分かれています。レストランで出すピザも障がい者が焼いていますし、パンも障がい者が作ったものです。
・2014年の11月にオープンしたのですが、オープンの11日後には、4000人の客が訪れ、1日で40万円以上の売り上げがあった日もあるという盛況ぶりです。建物の前には広い駐車場がありますが、地下鉄の利用客が夜だけではなく、わざわざ自動車でレストランに来たりパンを買いに来たりする客もいるほどです。なぜそれほど売れるのでしょう?

2.売れる秘密
・売れる秘密、それはまさに品質なのです。
・建物は外観もおしゃれですが、中のデザインも凝っていて、気合が入った本格的なレストランです。「福祉や障がい者雇用のための建物だからデザインはいまいち」といった「スキ」はありません。
・しかも、石窯で焼いたピザは、本格的で、パンも薫り高く、いずれも驚くほどの美味しさです。おいしければ、売れます。「これは!」というもの、入れ込めるものには、消費者はお金を出すのです。

3.おいしさの秘密
・なぜそこまでおいしいのかというと、繁盛店であるパンステージプロローグの山本敬三シェフなどが、強力にバックアップして、指導しているからです。本格的な製品に仕上がっているのです。おいしくないわけがないのです。
・この点では、プルデンシャル・ジェネラル・サービス・ジャパン(PGSJ)と似ています。PGSJでも、一流シェフが指導して、モンドセレクションの金賞を取るほどのクッキーを開発しました。バニーフーズのお弁当も、味で勝負できるだけの素材を厳選し、業務品質にも配慮し、顧客の評価を得ています。
・ 障がい者を雇用していようといまいと、企業としての成功を目指すのであれば、売れるには何が必要かを考えねばなりません。適切な戦略であれば、事業としても成功し、その結果、障がい者に最低賃金を払うことができるのです。

*ファールニエンテについては、「パンラボ」に詳しい記事が掲載されています。
http://panlabo.jugem.jp/?eid=1873
永続的成長企業ネットワーク 理事
横浜市立大学教授  影山 摩子弥