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[幸福経営のいい記事] ~日本経済新聞(2021年5月29日)より~
[幸福経営のいい記事]
~日本経済新聞(2021年5月29日)より~
・創業100年近い西精工(徳島市)の創業精神の一つが家族愛だ。「温かいだけの家族ではなく、成長を基軸とした厳しさも必要」
・京セラ創業者の稲盛和夫の言葉「会社は従業員の幸せのためにあるもんだ」
・多くの名だたる経営者が「憧れ」と公言する幸福経営を実践しているのが、寒天で国内シェア8割の伊那食品工業(長野県伊那市)だ。
・社是は「いい会社をつくりましょう」。
・社員の幸せを会社の目的に掲げ、売上高や利益などの目標を二の次としているにもかかわらず、わずかな期間の例外を除いて半世紀にわたって増収増益を続ける。
・伊那食品工業社長の塚越英弘は「会社は単に労働力を提供して給料をもらう場所ではなく、自分たちのもう一つの居場所だ」と話す。
・近江商人の「三方よし」、京セラの稲盛がうたう「全従業員の物心両面の幸福」。
・もともと幸福経営は日本のお家芸だったはずだ。
・・・・・・・・(以下、日本経済新聞記事)・・・・・・・・
〈Nextストーリー〉ウェルビーイング 経営に幸せを(4)
「月曜の出社が楽しみ」 家族愛追求、地方に学ぶ (2021年5月29日)
・「本日、柳沢さんが還暦を迎えます!」。パーツやナットなどを製造する西精工(徳島市)の本社工場。4月下旬、午前8時の始業前に開かれたのが勤続24年のベテラン、柳沢富江の誕生日会だ。社員全員によるバースデーソング、社長の西泰宏のハグ、花や手紙の贈呈。柳沢は「この会社に入って本当によかった」と真顔で語る。
・創業100年近い同社の創業精神の一つが家族愛だ。「温かいだけの家族ではなく、成長を基軸とした厳しさも必要」(西)。2009年に始めた朝礼は1時間を超えるが、西は「思考することが創意工夫につながる。生産性も利益率も上がっている」と話す。
・都内の広告代理店で働いていた西が祖父のつくった西精工を継ぐために戻ったのは1998年。「会社の雰囲気は暗く、あいさつもない。仕事に対する『やらされ感』でいっぱいだった」。悩んでいた西は経営者の勉強会で、京セラ創業者の稲盛和夫の「会社は従業員の幸せのためにあるもんだ」との言葉に衝撃を受け、幸せを追求するための経営理念をつくり上げた。
幸福度を調査
・同社では年1回、「幸福度調査」という社員アンケートを実施している。昨年は「毎週月曜に出社するのが楽しい、ワクワクする」が88.6%、「当社の社員で幸せである」が95.7%だった。「幸福は主体的に自分たちでつくるもの」。西は確信を込める。
・多くの名だたる経営者が「憧れ」と公言する幸福経営を実践しているのが、寒天で国内シェア8割の伊那食品工業(長野県伊那市)だ。社是は「いい会社をつくりましょう」。社員の幸せを会社の目的に掲げ、売上高や利益などの目標を二の次としているにもかかわらず、わずかな期間の例外を除いて半世紀にわたって増収増益を続ける。
毎年全員が昇給
・社長の塚越英弘は「会社は単に労働力を提供して給料をもらう場所ではなく、自分たちのもう一つの居場所だ」と話す。会社は「家族」のような社員に対し、業績に連動させず、全員の給与を毎年上げて報いる。その期待に応えようと、社員が頑張る。名付けて「年輪経営」。木が伸びるように無理せず、確実で安定した成長を目指そうとする経営スタイルだ。
・近江商人の「三方よし」、京セラの稲盛がうたう「全従業員の物心両面の幸福」。もともと幸福経営は日本のお家芸だったはずだ。新しい芽も出てきている。
集客・採用支援を手掛けるスタートアップ、あつまる(東京・渋谷)社長の石井陽介は稲盛に強い影響を受けた。京セラとほぼ同じような経営理念を掲げ、「個人ビジョン経営」を展開する。
・会社の経営計画のたたき台を参考に、従業員一人ひとりが「人生目標」とそのための行動計画を作成。個人面談や毎月2日間を費やす全社会議を踏まえて常に更新し、従業員の人生目標と擦り合わせた経営計画を完成させるのだ。民間の「働きがいのある会社ランキング」では上位に入る。
・外国人就労支援のYOLO JAPAN(ヨロジャパン、大阪市)社長の加地太祐も稲盛の経営塾「盛和塾」で学び、「幸せを誘う幸せ」を理念に掲げた。「真の力は自分のためでなく、人のためにやるときに出るもの。その方が実りも大きい」と加地は話す。
=敬称略   (この項おわり)