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[コラム:企業永続の法則Q&A]第3回『長寿企業と地域の関係』

[コラム:企業永続の法則Q&A]第3回『長寿企業と地域の関係』

・企業の繁栄は地域社会との関係を抜きにしては語れない。大切なのは長寿企業の地域との共生である。地域に根ざすことによって、地域に支えられるという構造は、長寿企業のなかで垣間見られる現象といえる。
・地域社会と長寿企業の関係を理解する例として、江戸時代ごろからいわれている「お助け普請」がある。近江商人には「商いができるのは、地域(社会)のおかげ」という言葉があり、陰徳善事の心で人知れず善い行いを実践することで地域にお返しをするという文化があった。商いによって得た利益を地域のために還元していたのである。
・例えば、飢饉や災害、不況のときに、あえて長寿企業の本店や出店、当主の本家の建築工事、寺社の修復、治山治水などの「お助け普請」を行って地域経済を回転させることで、窮民・住民を救済し恩返しに努めたという。
・ただ、このような共生関係においても、個として自立が大切ということには注意したい。個々人の自立があって、その上で企業などが自立するのである。個々が自立しない、企業が自立しない社会は、共生ではなく、それはもたれ合いや寄生になってしまう。個々・企業の自立や成長があってこそ、地域でともに生きることができるのである。