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[コラム:企業永続の法則Q&A]第14回『良い会社の見分け方』

[コラム:企業永続の法則Q&A]第14回『良い会社の見分け方』

・世間の話題で「良い会社」とは何か?、「いい会社」に何が必要か?、といったテーマが、個々の事例を交えながら語られることがある。
・内容は、組織、働きがい、財務、人事管理などなどで分析され、それぞれに識者から説得力ある説明がなされている。
・私は、現場経験と企業の永続性の視点から、簡単に見分けられる方法を見い出したと思っている。
・非常に簡単で、たった一つのことを見ればいい。
・それは、「退職者(定年、中途)の今の姿を見ればよくわかる」である。
・退職者を大切にしない会社は、繁栄も長く続かない。当然長寿・永続企業にはなれない。
・実は、このことは現在働いている社員にも大きく影響している。現役の社員は、先輩にあたる退職者の姿が幸せでないと映ったら、いま働いている会社には安心感が生まれない。
・人は先輩の背中を見て成長し育つ。社員は自分の将来・未来の姿を先輩を見て知る。社員は先輩と同じ会社に勤め、会社の敷いた道を進むのだ。
・つまり、社員は当然として、退職者を大切にする会社は、社員に人生そのものの安心感を与え、仕事人生に安心かつ安定した気持ちで励めるようになるのである。
・日本を代表する300年超の長寿企業である酒造メーカー「月桂冠」の事例は参考になる。
・創業家である大倉家の家訓に「従業員の一生を大切にする」という文言がある。この家訓は、月桂冠における「物故者法要」という行事で実践されている。
・これは定年退職して亡くなった社員の法要を会社行事として行っている。何と五十回忌まで行われている。
・今いる社員だけでなく、退職者はもちろん、亡くなった社員まで含めて自分たちの仲間として扱い続けているのだ。
・会社が存続しているのは先輩社員たちの努力があってこそ、という先達への感謝の気持ちが「五十回忌」という息の長い営みに表現されている。
・会社が社員をここまで大事にしてくれる行為は、社員に強い忠誠心・愛社心を呼び起こす土壌になると思う。